2024年1月31日 18次公募開始にともない改訂
ものづくり補助金の17次、18次公募が開始されました。本記事では17次締切、18次締切の公募要領等をもとに2024年のものづくり補助金について説明します。
2024年のものづくり補助金(17次締切、18次締切)には、3つの枠が用意されています。下図は中小企業庁のものづくり補助金の概要を示した資料です。
出典:中小企業庁(https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/yosan/r5/r5_mono_shogyo_service.pdf)
資料のとおり、グローバル枠を除き、補助上限額は従業員規模によって段階的に変化します。その中で特に注目となるのは省力化(オーダーメイド)枠です。従業員数100人以上では補助上限額が最高1億円に達します。これは非常に規模の大きい投資まで想定した内容と言えるでしょう。それだけ省力化が国内産業において喫緊の課題であることを示しています。
ものづくり補助金の省力化(オーダーメイド)枠とはどのような申請枠なのでしょうか。下図は省力化(オーダーメイド)枠の対象事業と活用イメージについての説明です。
出典:ものづくり補助金総合サイト(https://portal.monodukuri-hojo.jp/)
出典:中小企業庁(https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/yosan/r5/r5_mono_shogyo_service.pdf)
人手不足への対策として、AI、ロボット、センサー等のデジタル技術の活用が想定されています。それにより、人員の再配置、生産性向上および付加価値向上を目指す事業が対象となります。デジタル技術を活用せず、機械装置等のみを導入する事業は対象となりません。
また「オーダーメイド」とは、自社に合わせたシステム構築等を伴う取組みを指します。活用イメージでは外部のシステムインテグレータとの連携による共同開発が挙げられています。
省力化(オーダーメイド)枠は補助上限額が高額であるため大規模な投資にも対応できます。一方で、補助金額によって補助率が変動する点に注意が必要です。下図は補助率についての説明です。
出典:中小企業庁(https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/yosan/r5/r5_mono_shogyo_service.pdf)
上図の通り、6,000万円規模投資の例では補助金額に応じて補助率が変動します。結果として、補助金額が2,500万円、自己負担額は3,500万円となっています。上図の投資額は税抜き額ですので、消費税も考慮に入れなくてはなりません。投資規模が大きくなるほど、補助金額以上に自己負担額が増加します。
下図はものづくり補助金の製品・サービス高付加価値化枠の対象事業についての説明です。
出典:ものづくり補助金総合サイト(https://portal.monodukuri-hojo.jp/)
製品・サービス高付加価値化枠は通常類型、成長分野進出類型の2類型があります。
通常類型は、ものづくり補助金の基本となる類型です。革新的な製品・サービス開発の取組みに必要な設備・システム投資等が対象です。
詳しくは、【18次公募】ものづくり補助金の製品・サービス高付加価値化枠(通常類型)について解説します(https://procon-hojyokin.com/tuujyou/)の記事を参照してください。
成長分野進出類型(DX・GX)は、今後成長が見込まれる分野(DX・GX)を重点支援するための類型です。通常類型に比べて補助上限額、補助率がともに優遇されます。ただし追加要件があります。
DX: DXに資する革新的な製品・サービスの開発であること
GX:グリーン成長戦略「実行計画」14分野に掲げられた課題の解決に資する革新的な製品・サービスの開発であること
DX,GXいずれかの要件に沿った事業が求められます。
詳しくは、【18次公募】ものづくり補助金『成長分野進出類型(DX・GX)』とは?(https://procon-hojyokin.com/mono_dx_gx/)の記事を参照してください。
下図はものづくり補助金のグローバル枠の対象事業についての説明です。
出典:ものづくり補助金総合サイト(https://portal.monodukuri-hojo.jp/)
海外事業を実施し、国内の生産性を高める取り組みに必要な設備・システム投資等を支援する申請枠です。下記のいずれかに該当する場合に対象となります。
①海外直接投資
②海外市場開拓(輸出)
③インバウンド対応
④海外企業との共同事業
詳しくは、【18次公募】ものづくり補助金のグローバル枠について解説します(https://procon-hojyokin.com/global18/)の記事を参照してください。
新たに口頭審査の実施されます。下図は17次締切における口頭審査についての説明です。
出典:ものづくり補助金総合サイト(https://portal.monodukuri-hojo.jp/)
金額は明らかにされていませんが、「補助申請額が一定規模以上の申請」が対象です。審査方法はZoom等のオンラインにて実施されます。審査は申請事業者自身(法人代表者等)が対応しなくてはならず、申請事業者以外の同席は認められませんので、事業計画書に記載した内容に限らず、自身で質問に回答する必要があります。
令和5年度補正予算のものづくり補助金は17次締切、18次締切の2回の公募が予定されています。
17次締切…省力化(オーダーメイド)枠のみ
18次締切…省力化(オーダーメイド)枠、製品・サービス高付加価値化枠、グローバル枠
下図は、ものづくり補助金総合サイトで公開されている17次締切のスケジュールです。尚、17次締切の公募に応募すると、18次締切の公募には応募できませんので、注意してください。
出典:ものづくり補助金総合サイト(https://portal.monodukuri-hojo.jp/)
各締切回の審査スケジュールは下記となります。
17次
申請締切日:2024年3月1日(金) 17時
採択発表:2024年5月中旬頃18次
申請締切日:2024年3月27日(水) 17時
採択発表:2024年6月下旬頃
補助事業実施期間内(最遅で2024年12月10日まで)に、実績報告書の提出が求められます。さらに、実施期間の延長ができないと明記されていますのでご注意ください。
18次締切においても補助事業実施期間の最終日は同じです。つまり、18次締切では、補助事業実施期間が短くなります。18次締切の採択発表は2024年6月下旬頃の予定です。そこから交付申請をするため、交付決定は2024年晩夏から秋頃になります。つまり、補助事業実施期間が数か月しかありません。そのため、設備納入やシステム構築が遅れると補助事業の完了が期間内にできない恐れがあります。事前に事業実施のスケジュールが妥当か、よく検討した上で申請しましょう。
産業雇用安定助成金(産業連携人材確保等支援コース)は、ものづくり補助金の採択および交付決定を受けた事業者を対象に、生産性向上に資する取組み等に必要な新たな人材の雇入れを支援する制度です。ものづくり補助金の補助事業と連携して支給申請が可能となります。
対象となるものづくり補助金の事業は、「製品・サービス高付加価値化枠」に限ります。17次締切では該当枠の公募はありません。18次締切での公募が予定されています。
加えて、売上高等の事業活動における減少要件があります。定められた期間内で前年同期比10%以上の減少が要件となります。
下図は対象となる労働者の要件、および助成額等を示しています。
中小企業では、従業員1人あたり250万円が雇入れから6か月ごとに2回に分けて支給されますので、雇入れ初年度の人件費を大幅に軽減できる制度です。この制度を活用するためには、少なくとも下記の要件を満たしていなくてはなりません。
・令和5年11月29日以降にものづくり補助金の申請し交付決定を受ける。
・事業計画書に人材確保に関する事項を記載
・交付決定後に対象者の雇入れ
上記の他に様々な要件があります。制度の詳細は厚生労働省のサイトをご確認ください。
本記事では2024年のものづくり補助金(17次および18次締切)について説明しました。ものづくり補助金の申請をお考えの方は参考にしてください。
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