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ものづくり補助金の条件とは?②達成すべき要件

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ものづくり補助金の条件とは?②達成すべき要件

前回の記事では主な補助対象者の条件を中心に説明しました。ものづくり補助金には補助事業実施後に達成が求められる要件があります。今回の記事ではそれらの要件について説明します。

ものづくり補助金の達成すべき基本要件

下図はものづくり補助金の補助事業実施後のフォローアップスケジュールを示しています。

ものづくり補助金の条件②補助対象者の要件_図表1

出典:ものづくり補助金総合サイト「公募要領(16次締切分)概要版」(https://portal.monodukuri-hojo.jp/

ものづくり補助金の補助対象事業には満たすべき基本要件があります。もし要件に達しない場合は補助金の返還が求められます。例えば基本要件として、上記の事業計画期間(3~5年)で、給与支給総額、事業場内最低賃金の引き上げが求められます。

<給与支給総額の増加目標>

給与支給総額は、全従業員(非常勤を含む)及び役員に支払った給与等を指します。下図は給与支給総額の考え方を示しています。

ものづくり補助金の条件②補助対象者の要件_図表2

出典:ものづくり補助金総合サイト「よくあるご質問」(https://portal.monodukuri-hojo.jp/

事業計画終了時点で給与支給総額の年率平均1.5%以上の増加の達成が必要です。3年の事業計画では3年後、5年の事業計画では5年後で達成の確認があります。そのため3年計画では、3年後に4.5%以上増加していなければなりません。終了年で達成していれば良いため、仮に事業計画期間中となる1、2年後に増加目標に達していなくても問題ありません。

<事業場内最低賃金の増加目標>

「事業場」とは、補助事業の実施場所を指します。事業場内最低賃金は、補助事業実施場所で働く従業員の最も低い時給額となります。(月給制の場合は時給換算)下図は地域別最低賃金+30円の考え方を示しています。

ものづくり補助金の条件②補助対象者の要件_図表3

出典:ものづくり補助金総合サイト「よくあるご質問」(https://portal.monodukuri-hojo.jp/

事業計画期間中において地域別最低賃金+30円の水準を達成し続ける必要があります。給与支給総額と異なり、事業場内最低賃金は毎年3月の確認となる点にご注意ください。
事業場の従業員全員において上記の目標達成が求められます。

ものづくり補助金の達成すべき追加要件

申請する枠が通常枠で求められる要件は基本要件のみですが、以下に紹介する申請する枠や利用する特例によって、追加の達成要件があります。

・回復型賃上げ・雇用拡大枠

従業員に対する賃上げ等を前提とした優遇制度であるため、基本要件の他に追加の返還要件があります。補助事業の完了年度の翌年度の3月末時点で、給与支給総額又は事業場内最低賃金の増加目標のいずれか一方でも達成できていない場合には、補助金交付額の全額の返還が求められます。
基本要件とは異なり、給与支給総額においても毎年の達成が求められます。

・大幅賃上げに関する補助上限額引上の特例

大幅賃上げに係る補助上限額引上の特例を活用する場合は、以下の追加の達成要件があります。達成できていない場合には、補助上限引上額について補助金の返還が求められます。

<給与支給総額>

年率平均1.5%以上増加目標に加え、さらに年率平均4.5%以上の増加目標達成、つまり、合計で年率6%以上の達成が求められます。事業計画終了時点での確認となります。3年計画であれば、18%以上の増加となります。

<事業場内最低賃金>

基準年度の事業場内最低賃金を始点として、前年度の事業場内最低賃金対比+45円以上の増額が求められます。下図は事業場内最低賃金+45円の考え方を示しています。

ものづくり補助金の条件②補助対象者の要件_図表4

出典:ものづくり補助金総合サイト「よくあるご質問」(https://portal.monodukuri-hojo.jp/

地域別最低賃金が基準となる基本要件とは異なり、前年度の事業場内最低賃金が基準となります。そのため、毎年45円以上の賃金の引き上げが累積していく点にご注意ください。

<従業員>

常時使用する従業員がいなくなった場合においても返還となります。

ものづくり補助金の要件の達成が困難な場合

基本要件では増加目標未達でも補助金の一部返還を求められない場合があります。例えば、付加価値額が目標通りに伸びなかった場合や天災など事業者の責めに負わない理由がある場合などが該当します。ただし、あくまで結果として上記の状況になった場合の救済措置です。まずは増加目標を達成する前提で事業を実施しましょう。

今回の記事では補助事業で求められる要件について説明しました。要件を満たせない場合は補助金の交付を受けても返還となる可能性がありますのでご注意ください。

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