この記事では、「ものづくり補助金の申請に関連する書類」について説明します。ものづくり補助金に申請する事業者は、決算書などの税務資料に加えて公募要領(15次)で指定される事業計画書などの必要書類を提出しますが、公募要領を理解するには多くの場合時間がかかります。今回、ものづくり補助金の申請時に必要な書類を、簡潔にわかりやすく解説しますので、ご参考にしてください。
ものづくり補助金の申請時には、以下の書類を揃える必要があります。この書類にはファイルの拡張子やファイル名の指定等、細かな規定がありますので、その規定に沿って資料を準備する必要があります。
①事業計画書
②補助経費に関する誓約書【様式1】
③賃金引上げ計画の誓約書【様式2】
④決算書等
⑤従業員数の確認資料
⑥労働者名簿
⑦その他
ものづくり補助金の事業計画書は、事業者がどのような補助事業を行うのか、文章や図・グラフなどで具体的に説明する資料です。様式に指定はありませんが、ホームページに掲載されている参考様式を活用すると良いです。
この事業計画書に書くべき内容は、その1:補助事業の具体的取組内容、その2:将来の展望、その3:事業計画における付加価値額等の算出根拠となります。この内容を10ページ以内にまとめて、Word(ワード)からPDF形式に変換します。内容毎に3つのファイルとし、ファイル名は、事業計画書その1(事業者名)、事業計画書その2(事業者名)、事業計画書その3(事業者名)とします。これらのファイルを、電子申請システムで各々所定の場所に添付します。
この誓約書は、「補助対象経費は、補助事業計画書に記載の事業に使用し、他の補助金との重複がない」ことを誓約します。様式は、指定の様式1(Word)を利用する必要があり、ファイル名は“補助対象経費に関する誓約書(事業者名)”とします。
この誓約書は、①事業場内最低賃金を地域別最低賃金+30円以上の水準とすること、②事業計画期間において給与支給総額を年率平均1.5%以上増加させること、③補助事業終了後、事業化状況報告時に上記目標を達成できない場合は補助金の返還すること、を誓約します。以前は様式を作成し添付していましたが、15次以降は電子申請システムでの誓約となり、書類の添付は不要となりました。
決算書(法人)は、直近2年間の貸借対照表、損益計算書、製造原価報告書、販売管理費明細、個別注記表が必要です。個人事業主は、確定申告書等が必要です。提出する2期分の決算書等は、1期分を1ファイルとして計2ファイルをPDF形式で提出します。ファイル名は、“第〇期決算書等(事業者名)”とします。
従業員数は、法人の場合は“法人事業概況説明書の写し”、個人事業主の場合は“所得税青色申告決算書”または“所得税白色申告収支内訳書の写し”が必要です。ファイル名は、“法人事業概況説明書(事業者名)”又は“所得税青色(または白色)申告決算書(事業者名)”とし、PDF形式で提出します。
労働者名簿は、応募申請時の従業員数が21名以上で、上記⑤従業員数の確認資料における期末の従業員数が20名以下の場合のみ提出します。様式の定めはありませんが、「事業者名」「従業員数」「従業員氏名」「生年月日(西暦)」「雇入れ年月日(西暦)」「従事する業務の種類」の記載があるものを提出します。ファイル名は、“労働者名簿(事業者名)”とします。
ものづくり補助金の申請する枠や事業者等によって提出する資料が異なります。以下の内容に該当する場合は書類を提出する必要があります。
<再生事業者>
再生事業者の定義、及び再生事業者であることを証明する書類は、公式ホームページの参考情報(以下)に記載してあります。
<回復型賃上げ・雇用拡大枠>
回復型賃上げ・雇用拡大枠で申請する場合は、課税所得の状況を証明する書類として、前年度の確定申告書等を提出する必要があります。
<グリーン枠>
グリーン枠で申請する場合は、【様式3】を用いて、3~5年の事業計画期間内に、事業場単位での炭素生産性を年率平均1%以上増加させる具体的な計画内容と、これまでに自社で実施した温室効果ガス排出削減の取組内容の有無やその効果等を、詳細に記載し、提出する必要があります。
<大幅な賃上げを行う事業者>
大幅な賃上げを行う事業者は、【様式4】を用いて、3~5年の事業計画期間内に取り組む、大幅な賃上げのための具体的な計画内容と、これまでに自社で実施した賃上げの取組内容の有無やその効果等を、詳細に記載し、提出する必要があります。
<グローバル市場開拓枠>
グローバル市場開拓枠で申請する場合は、以下の海外事業の準備状況を示す書類を提出する必要があります。
・海外直接投資類型:海外子会社等の事業概要・財務諸表・株主構成が分かる資料
・海外市場開拓(JAPANブランド)類型: A.具体的な想定顧客が分かる海外市場調査報告書、 B.海外展開の専門性について
・インバウンド市場開拓類型:具体的な想定顧客が分かるインバウンド市場調査報告書
・海外事業者との共同事業類型:共同研究契約書又は業務提携契約書(検討中の案を含む)
ものづくり補助金の申請時に必要な書類についての説明は、以上です。次回は、ものづくり補助金の加点や交付申請に必要な書類について説明します。
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