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ものづくり補助金の採択には加点項目を押さえよう(1)

ものづくり補助金の採択には加点項目を押さえよう(1)

本記事では、ものづくり補助金の加点項目の中から、①成長性加点と②政策加点の概要と申請方法について説明します。

①成長性加点:「有効な期間の経営革新計画の承認を取得した事業者」

出典:「経営革新計画進め方ガイドブック 2022年度版(中小企業庁)」より抜粋

経営革新計画とは、中小企業が新事業活動を行い、その経営の相当程度の向上を図ることに関する計画のことで、都道府県知事等の承認を受けることができます。承認を受けると、日本政策金融公庫の特別利率による融資制度や信用保証の特例などの優遇措置や、販路開拓支援などの支援措置を受けられます

加点の取得方法

経営革新計画は指定のフォーマットで作成する必要があり、ボリュームは15~25ページ程度になります。経営革新計画の承認取得までの所要期間は、計画書の作成に必要な期間と都道府県の審査から承認までの期間を合わせると2カ月程度はかかります。

そのため、ものづくり補助金の応募締切までの期間が2か月以下の場合は、経営革新計画を作成してもものづくり補助金の応募締切までにその承認が間に合いません。また、経営革新計画の作成はものづくり補助金の事業計画書の作成以上に労力を要するため、経営革新計画を加点ポイントとして考えないケースがほとんどです。

しかし、経営革新計画で求められる記載項目は、自社の現状や課題、新事業の取組み内容などものづくり補助金の事業計画書で求められる記載項目と重複する部分が多くあることから、検討は無駄にはならず、さらに加点を見込めるため、ものづくり補助金の応募締切までに時間的余裕がある場合は作成を検討するとよいでしょう。

②政策加点

政策加点は以下の4つに該当する場合に付与されるもので、複数項目に該当すれば相加的に加点されます。
(1)創業・第二創業後間もない事業者(5年以内)
(2)パートナーシップ構築宣言を行っている事業者
(3)再生事業者
(4)デジタル技術の活用及びDX推進の取組状況(デジタル枠のみ)

(1)創業・第二創業後間もない事業者(5年以内)及び(3)再生事業者は、事業の年数や内容が基準であり該当するか否かは自明です。(4)デジタル技術の活用及びDX推進の取組状況は、対象がデジタル枠に限定されることからここでは詳細は触れませんが、申請時までに取り組めば加点が見込める(2)パートナーシップ構築宣言について解説します。

パートナーシップ構築宣言

パートナーシップ構築宣言とは、サプライチェーンの取引先と価値創造を図る事業者との連携・共存共栄を進め、新たなパートナーシップを構築することを、「発注者」側の立場から企業の代表者の名前で宣言するものです。

出典:「パートナーシップ構築宣言」ポータルサイトより

加点の取得方法

ポータルサイト上にあるひな型をダウンロードし記載見本を参考に、自社に合った宣言を作成し登録ページからPDFでアップロードします。その後宣言が公開されると加点の対象となります。
記載見本は製造業を想定した内容となっていますので、製造業以外の業種の企業は、記載見本の確認だけでは宣言書の作成がやや難しいケースがあります。その場合は、パートナーシップ構築宣言のポータルサイトに掲載されている登録企業リストから自社に近しい業種の企業の宣言書を参考にすると作成がスムーズに進みます。
https://www.biz-partnership.jp/list.php

この登録企業リストで自社に近しい業種の宣言書を参考にすると作成がスムーズに進みます(出典:「パートナーシップ構築宣言」ポータルサイトより)。


今回の記事ではものづくり補助金の、①成長性加点と②政策加点について説明しました。次回の記事では、③災害等加点と④賃上げ加点等について説明します。

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