前回の記事では、ものづくり補助金のスケジュールの全体と、応募までのスケジュールについて説明しました。今回の記事では採択発表後の「いつ？」について説明します。
応募したあとに気になるのは採択結果です。採択はいつ発表されるのでしょうか。下図は、ものづくり補助金の1次から13次までにおける応募締切日から採択発表日までの日数を表しています。
出典：ものづくり補助金総合サイト（https://portal.monodukuri-hojo.jp/）をもとに作成
採択発表は応募締切日から1～2カ月であることが分かります。平均では50.5日です。前回の記事でも触れた通り、具体的な日程の事前発表はありませんが大まかな時期は予告されます。例えば15次締切回（締切日：令和５年７月２８日（金））の場合、採択発表日は「9月下旬予定」と示されています。締切日から約2カ月後をめどに準備を進めておくとよいでしょう。
採択発表からいつまでに、何をすればよいのでしょうか。下図は採択発表後の手続きの流れを示しています。
出典：ものづくり補助金総合サイト「交付申請手続きに関する説明動画」（https://portal.monodukuri-hojo.jp/）
まずは採択発表直後（星印）に交付申請を行い、交付決定を受けます。交付決定日以降の発注が補助対象経費の対象となります。交付決定日より前の発注したものに係る経費は補助金の対象外で、補助金は交付されません。そのため交付決定を受けないと、いつまでも補助事業を開始できません。
ものづくり補助金の補助事業実施期間のスケジュールは、申請枠が通常枠の場合では公募要領に次のように記載されています。
「交付決定後から最大で10カ月間(ただし、補助事業の終了期限は、採択発表日から12カ月後の日まで。)」下に図解します。
図では仮に採択発表日を1月1日とします。例Aのように、採択発表後すぐに交付申請し、1カ月で交付決定された場合は、補助事業実施期間が10カ月となります。
例Bは、交付申請から交付までに時間がかかり、採択発表の4カ月後に交付決定された場合です。「交付決定日から10カ月後」の日よりも、「採択発表日から12カ月後」の日が先になりますので、補助事業実施期間は9カ月と短くなってしまいます。つまり、交付決定日が遅くなるほど補助事業実施期間が短くなります。
例Cは、交付申請が遅れ、10月1日に交付決定となった場合です。この場合、補助事業実施期間は3カ月しかありません。この限られた期間で、事業計画に記載した事業を実施しないといけません。例えば機械を発注して納品を受け、支払いを終え、使用開始ができるでしょうか。あるいはシステムを構築してサービスが開始できるでしょうか。
確実に補助事業を実施するためにも、速やかな交付申請が、いかに大事かがわかります。
不採択となった場合は、いつ、何をすればよいのでしょうか。
再度申請をする場合は、次回締切日を確認しましょう。前回の記事でも説明した通り、2～3カ月に一度のペースで公募されています。締切日から採択発表日まで2カ月程度ですから、採択発表日の時点で次回の締切日が間近となっています。まずは事業計画書の見直しを進めましょう。
また公募要領の変更点をよく確認しましょう。前回から要件や申請枠や加点項目が変更されている可能性があります。また、前回と同じ添付書類では不備があるかもしれません。十分な注意が必要です。
今回の記事では、採択発表後にいつ、何をすればよいのか、採択発表後の動きについて説明しました。次回は交付申請以降のスケジュールについて、詳細に見ていきます。
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