ものづくり補助事業公式ホームページ「ものづくり補助金総合サイト」では、ものづくり補助金の活用方法の参考として成果事例を公開しています。今回も、その成果事例の中から情報システム関連の事例を紹介します。自社にて情報システムを検討する際の参考にして頂ければ幸いです。
前回の成果事例は、以下のサイトです。
ものづくり補助金を活用した情報システム等事業の成果事例の紹介(1)
・企業名:株式会社ゴードーソリューション(情報サービス業)
・事業計画名:スマートデバイスを活用した中小零細機械加工業向けアプリケーションの開発および提供
・概要:同社は昭和51年に設立され、ものづくりの街である浜松市を拠点に、中小規模製造業者向けのシステム開発及び販売を営んでいる。同社が手掛けるのは、製造業には欠かすことのできないNC工作機械におけるCADやCAMと呼ばれるソフトウェアである。同社では独自開発した「ナスカ」シリーズの販売を平成8年に開始し、以降2次元CAD/CAMの開発のほか、NC加工シミュレーションやNC工作機械へのデータ転送に係る通信プログラムだけでなく、生産現場における IoT マネジメントについても提案を行っている。
出典:ものづくり補助金総合サイト
・アプリ開発における課題
◆同社が本事業で取り組んだスマートデバイスによる現場対応型のCAD/CAMアプリケーションの開発で課題となったのは、「スマートデバイス上での図面及びNCデータの作成」や「機械へのデータ通信等の一連の作業を可能とするフレームワークの設計」であった。同社では以前より、スマートデバイスのOSごとに最適なアプリケーションの開発事業に着手してきたが、規格に応じて開発言語や実行プログラム群が異なっていることから、移植作業は新規開発と同様の工数がかかっていた。
・実施内容
◆今回は、既存のOSから独立したフレームワークを構築することで、汎用性が高く、開発工数を抑える形でアプリケーション化を図ることとした。
・開発したアプリケーション(出典:ものづくり補助金総合サイト)
作業者の扱いやすさも考慮したUIデザイン(左図)、開発したアプリケーションは多様なOSで稼働可能(右図)
・本事業での成果
◆本事業による取り組みの結果、同社は難関であったOSに依存しないフレームワークの開発に成功
◆実際のアプリケーション開発でも同一のソースプログラムで行えるようになり、開発工数の約70%の削減を実現
・今後の展望
さらに、アプリケーションを販売してみると当初想定していた現場作業者の直接入力への活用のほか、PC環境のある設計部門と現場とのチェック体制の補完といったニーズも強いことがわかった。表面化した新たなニーズを、同社ではもう1つのコンセプト“工場マネジメント”に位置づけ、工作機械からの情報に基づいた、リアルタイム稼働管理システムの構築・販売への事業展開も行っている。
・本事例の解説
本事例は、スマートデバイスのOSごとに最適なアプリケーションを導入(移植)する際に新規開発と同様の工数が掛かる課題がありまた。この課題を解決するため、既存のOSから独立したフレームワークを構築し、OSに左右されない最適なアプリケーションを開発し成果を挙げています。OSから独立した形にしたことが課題解決のポイントです。一見、どの企業にもあり得るような課題ですが、課題を解決するシステム開発を行うことで、開発工数を約70%も削減する革新的な内容となっています。各企業で工数や手間がかかっている社内業務において、情報システムやアプリ等を導入することで、大幅な業務効率化が図られる可能性があります。ぜひ、社内業務の見直し、情報システム等が導入できないか検討してみてはいかがでしょうか。
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