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【第12回公募】サプライチェーン強靭化枠の準備のポイント

第12回の事業再構築補助金において「サプライチェーン強靭化枠」の公募が開始されました。
「サプライチェーン強靭化枠」とは、海外で製造する部品等の国内回帰を進め、国内サプライチェーンの強靱化及び地域産業の活性化に取り組む事業者(製造業)への支援のために第10回公募から新設された枠で、当プロコン補助金でもサポート致しました。
(サプライチェーン強靭化枠の概要についてはこちらの記事をご覧ください。
【2024年】事業再構築補助金のサプライチェーン強靭化枠について (procon-hojyokin.com)

サプライチェーン強靭化枠は、申請要件や添付書類(提出書類)が他の事業類型と異なる部分が多く、また第10回からの新設枠のため申請者も事務局も経験が少なく必要に応じ問い合わせが必要でした。
特に添付書類(提出書類)は、他の事業類型と比べると種類が多く、感覚的には準備に3倍程の労力がかかりました。

本記事では、当社が第10回の公募においてサプライチェーン強靭化枠の申請サポートした経験から、特に準備に手間や時間を要した添付書類(提出書類)に絞って、準備のポイントをお伝えします。

特に準備が大変だった書類は下記の書類です。

1.事業再構築要件 (国内回帰)の該当性を説明する書類

①事業再構築要件(国内回帰)入力シート

②海外製造等要件 a を裏付ける取引実績

③導入設備の先進性を示す書類

2.取引先からの生産(増産)要請を証明する書類

3.事業計画書

それぞれについて、準備のポイントをお伝えします。

1.事業再構築要件 (国内回帰)の該当性を説明する書類

①事業再構築要件(国内回帰)入力シート

事業再構築要件(国内回帰)入力シートとは、サプライチェーン強靭化枠の要件の1つである事業再構築要件(国内回帰)を満たすことを証明するために入力するシートのことです。事業再構築補助金の公式サイトからダウンロードすることができます。電子申請用資料 | 事業再構築補助金 (jigyou-saikouchiku.go.jp)

基本的には“目次”シートの説明に沿って各シートを入力すればよいのですが、ポイントは、“他の提出書類と内容の整合性を取ること”です。

例えば、シート「海外製造等要件_1」の内容は、後述の発注や納品を証明する書類の調達先名や発注金額などとの整合性を、シート「海外製造等要件_2」「導入設備の先進性要件」「新事業売上高10%等要件」は、事業計画書の記載内容や電子申請入力項目などとの整合性を取る必要があります。
提出書類間の整合性が取れないと審査員はどちらが正しいか判断がつかず、採択に影響が出る可能性があります。

事業再構築要件(国内回帰)入力シートのシート「導入設備の先進性要件」の抜粋。導入設備一覧への入力内容は、事業計画書の記載内容や電子申請入力項目の3:本事業で取得する主な資産などと整合性を取る必要がある。 出典:事業再構築補助金公式サイト(https://jigyou-saikouchiku.go.jp/

②海外製造等要件 a を裏付ける取引実績を証明する書類

海外製造等要件 a とは「事業により製造する製品について、2020 年以降に海外から調達した実績があること」のことで、「海外製造等要件aを裏付ける取引実績証明する書類」とは、2020 年 1 月以降の当該製品の海外への発注及び海外からの納品の事実を示す発注書や納品書のことです。
2020年以降に行った1つの取引の発注書及び納品書をそれぞれ1通ずつ準備すればよいのですが、ポイントは、Proforma Invoiceなどの納品が確定していない書類は証明にはならず、Purchase orderやCommercial Invoiceなど、納品の確定が確認できる書類を準備することです。
また、準備した発注書や納品書が日本語以外の場合は日本語訳の添付が必要になります。

③導入設備の先進性を示す書類

導入予定の設備の先進性について、特注品であることの説明書類や製造機器メーカーの最新版のカタログにより示す必要があります。
ポイントは、全ての設備が対象のため、主要設備だけでなく補完設備(例えばベルトコンベアなど)についても、先進性を示すための書類が必要だということです。
導入設備数が増えれば増えるほど資料数も増加するので、計画的に準備しましょう。

また、特注品であることの説明書類は、どのような書類を準備すればよいか公募要領に具体的な記載ありません。
(※当社が本枠の申請をサポートした際に問い合わせましたが、事務局から具体的な内容には言及されなかったため、特注品の仕様書と図面が準備できる設備について図面も添付しました)。

2.取引先からの生産(増産)要請を証明する書類

取引先からの生産(増産)要請を証明する書類とは、サプライチェーン強靭化枠の要件の一つである【国内増産要請要件】の該当性を証明するための「生産(増産)要請に関する証明書」のことで、事業再構築補助金の公式サイトからフォーマットをダウンロードすることができます。
電子申請用資料 | 事業再構築補助金 (jigyou-saikouchiku.go.jp)

ポイントは、証明書の発行主体となる取引先の承諾を得ることです。証明書には問い合わせ先(部署名、氏名、連絡先)の情報も記載が必要となります。

当社が本枠の申請サポートを行った際は、第一候補と考えていた取引先に相談したところ、公に提出する資料に問い合わせ先として情報を記載するのは難しいと辞退されました。その後、第二候補の取引先に相談し快諾いただき、この書類を準備することができました。
証明書を発行してくれる会社の選定に苦慮する可能性もあるため、余裕をもって相談することをお勧めします。

生産(増産)要請に関する証明書には、様式 A 又は様式 Bがあり、自社のパターンにより選定するが、いずれの様式も取引先に証明者となることおよび問い合わせ先 (部署名、氏名、連絡先)」を記載することについて事前に取引先に相談し、承諾を得る必要がある。出典:事業再構築補助金公式サイト(https://jigyou-saikouchiku.go.jp/

 

3.サプライチェーン強靭化枠の事業計画書

サプライチェーン強靭化枠の事業計画書は、事業計画書の表紙のフォーマットや審査項目が他の事業類型と多くの部分で異なり、過去に他の事業類型で申請した経験がある事業者でも、サプライチェーン強靭化枠に申請する場合は本枠特有の事業計画書の作成が必要です。
採択率を上げるためには、国内回帰の必然性や、各設備の先進性や導入スケジュール、設備の導入効果、さらには費用対効果などを示すことが重要になります。

このサプライチェーン強靭化枠の事業計画書作成のポイントは、①提案する事業が自社ひいては取引先にとっても国内回帰が必然的な取り組みであることを表紙で端的に示すこと、②表紙以外のページでは、サプライチェーン強靭化枠の審査項目に沿って漏れなく計画を記載することです。

①の表紙では、サプライチェーンや取引関係の状況について、補助事業の実施前後の変化を図表等で分かりやすく明記する必要があります。フォーマットに「あくまで、補助事業に関係する範囲におけるサプライチェーンの状況図で構いません。」との補足から、補助事業に絞った図の作成が求められていることが伺えます。

②については、事業再構築補助金の事業計画書は15ページ以内と制約があり、さらにサプライチェーン強靭化枠は、①のフォーマットに2ページを割くため、残りの13ページで審査項目の内容を漏れなく記載する必要がありますが、細かく記載し過ぎると13ページに収まらない可能性があるため、審査項目の重要度により濃淡を付けるなどの工夫が必要です。

サプライチェーン強靭化枠の事業計画書の表紙のフォーマット。「本事業の概要」「サプライチェーン状況図」については、記載スペースが広いが記載例などは示されていないため、国内回帰の必然性を分かりりやすく示すことを念頭に自社で記載内容を検討する必要がある。出典:事業再構築補助金公式サイト(https://jigyou-saikouchiku.go.jp/

 

4.まとめ

今回は事業再構築補助金のサプライチェーン強靭化枠の添付書類(申請書類)の準備のポイントをお伝えしました。サプライチェーン強靭化枠は他の事業類型と比べると補助限度額は最大5億円と高額であるため、第12回公募においても採択へのハードルが高いことが予想されます。サプライチェーン強靭化枠への申請を検討する場合は、第12回公募の申請に向けて上記のポイントを押さえ、添付書類、事業計画書共に計画的に準備しましょう。

サプライチェーン強靱化枠において申請サポートの活用を検討されている方は、 補助金申請支援の豊富な実績・ノウハウがあるだけでなく(第10回公募で本枠のサポート実績あり)、採択後の事業化に向けたサポート可能なプロコン補助金.comに一度、お問い合わせください。

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