前回の記事では、補助金交付候補採択発表後の動きについて、いつ、何をすればよいのかを説明しました。今回の記事では交付申請以降の手続きについて、締切りはいつまでか、意識すべきタイミングについて見ていきます。
ものづくり補助金の交付申請の締切りはいつまででしょうか。下図は採択発表以降に行う一連の手続きの流れを示しています。
出典:ものづくり補助金総合サイト「実績報告書作成マニュアル」(https://portal.monodukuri-hojo.jp/)
実は補助金交付候補採択後の交付申請をいつまでに進めなければならないといった明確な締切りはありません。しかし、交付申請を速やかに進めなければならない理由があります。
それが上図に赤字で示された「補助事業実施期間」です。申請した事業計画に実際に取り組む期間となります。つまり、この期間内に事業を開始し、完了させなければなりません。たとえば機械を購入する場合は、発注や納品、支払い、導入効果の検証をこの期間内に行う必要があります。補助事業実施期間外となる交付決定前の発注や、補助事業完了日以降の支払いをした場合、それらは補助対象として認められず、補助金が交付されません。
補助事業実施期間の開始は交付決定日、補助事業完了日は交付決定日から10か月が経過した日(ただし、採択発表日の12か月後が限度)です。つまり交付決定が遅くなるほど補助事業実施期間が短くなってしまいます。発注した機械の納品や支払いが短い期間では合わない可能性が出てきます。そのため速やかに交付申請を行う必要があるのです。
交付申請の手続きについてはこちらの記事で詳しく説明しています。
交付決定通知を受領して事業実施のスタートラインに立ちました。次の締切りはいつ来るのでしょうか。下図は「補助事業の手引き(14次締切)」に記載されている表です。交付申請以降の事務手続きを示しています。
出典:ものづくり補助金総合サイト「補助事業の手引き(14次締切)」(https://portal.monodukuri-hojo.jp/)
前述のとおり、次の重要な締切りは事業完了期限です。これは申請した締切回および申請枠によって期限が異なります。交付決定通知書には「交付決定日から10か月以内の日。ただし、採択発表日から12か月後の日まで。」といった書き方で示されます。具体的な日付は記載されないため、ご自身の事業完了期限となる締切日を具体的にいつかを確認しておきましょう。うっかり締切りを忘れて期限を過ぎてしまったということの無いように気を付けましょう。各締切回の採択発表日は、ものづくり補助事業公式ホームページの「スケジュール」のページで確認ができます。
補助事業を完了すると、次はいつまでに何をすれば良いのでしょうか。下図はものづくり補助金の「実績報告書作成マニュアル」に記載された実績報告書の提出期限を示しています。
出典:ものづくり補助金総合サイト「実績報告書作成マニュアル」(https://portal.monodukuri-hojo.jp/)
補助事業を実施し、支払いや効果の検証が終わった完了後、30日以内に実績報告書を提出する必要があります。ただし、補助事業完了期限日が先となる場合は、その日までに実績報告書を提出しなければなりません。逆に補助事業が早く終われば補助事業完了期限日を待つ必要はありません。速やかに提出するほど実績報告書の審査を早く終えられます。そのため入金が早くなるメリットがあります。
補助事業を実施し、実績報告を終え、入金されてひと安心。しかしそれで終わりではありません。6年間にわたり、補助事業の成果などを報告する事業化状況報告があります。下図は事業化状況報告をシステムに入力するタイミングを示した表です。
出典:ものづくり補助金総合サイト「事業化状況報告のタイミング」(https://portal.monodukuri-hojo.jp/)
報告期間は毎年4月1日~5月31日の2カ月間です。期間内にシステムに入力して報告します。この報告によって給与支給総額や事業場内最低賃金といった増加目標の達成を確認されます。報告内容によっては補助金の返還が求められます。そのため非常に重要な報告です。さらに、事業化状況報告が未提出の場合、将来のものづくり補助金への申請が出来なくなります。
事業化状況報告のタイミングでは、申請から何年も時間が経っています。そのため達成要件の理解が曖昧になっているかもしれません。締切り直前になって慌てることのないよう、申請時の公募要領や手引きなどをあらためて確認しておきましょう。
今回の記事では、交付申請以降の手続きについて、いつまでに何をすべきか、意識すべき締切りについて説明しました。締切りに追われないように、補助事業を余裕のあるスケジュールで実施し、早く補助金を受け取るため、速やかに手続きを進めましょう。
当プロコン補助金では、プロのコンサルタントによる申請サポートにより、数多くのご支援を採択に導いて参りました。ものづくり補助金の申請についてご相談がございましたら、是非一度プロコン補助金にお問い合わせください。