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【2025年】ものづくり補助金(19次公募)、前回からの主な変更点について

【2025年】ものづくり補助金(19次公募)、前回からの主な変更点について

ものづくり補助金の19次公募が、2025年2月14日に開始されました。今回の19次公募では、前回(18次公募)からの多くの内容が変更になりました。
そのため、本記事では、ものづくり補助金19次公募の前回公募からの主な変更点についてお伝え致します。

 

1.ものづくり補助金(19次公募)の概要

ものづくり補助金とは、中小企業・小規模事業者等の生産性向上や持続的な賃上げに向けた新製品・新サービスの開発に必要な設備投資やシステム開発等に掛かる費用の一部を支援する補助金です。
ものづくり補助金(19次公募)の概要(抜粋)は、下図の通りです。この概要では、足元の賃上げ状況等を踏まえ「基本要件の見直し」、従業員規模区分を見直し「補助上限額の一部拡充」、賃上げ環境を整備するため「最低賃金賃上げ特例の創設」等の見直しが挙げられています。

ものづくり補助金の概要

(出典: 中小企業庁の公式サイトより抜粋

 

2.18次公募からの主な変更点について

ものづくり補助金の19次公募において、前回の18次公募からの主な変更点は下記の通りです。
以下の章より、各変更点について詳しくお伝え致します。

<18次公募からの主な変更点>
(1)申請枠の変更(3枠から2枠へ)
(2)基本要件(賃金の増加要件、従業員の仕事・子育て両立要件)の変更
(3)補助金額、補助率の引き上げ
(4)収益納付の廃止
(5)交付申請の期限の設定
(6)加点項目の変更
(7)審査項目の変更
(8)提出書類の変更
(9)採択後の説明会への参加の義務化

 

(1)申請枠の変更(3枠から2枠へ)

ものづくり補助金の19次公募の申請枠は、18次公募にあった「省力化オーダーメイド枠」がなくなり、「製品・サービス高付加価値化枠」、「グローバル枠」の2枠になります。
「省力化オーダーメイド枠」が無くなった理由としては、中小企業庁の「中小企業省力化投資補助金」が2025年も継続される予定であり、カタログ製品に加えオーダーメイドの製品も対象となったため、省力化オーダーメイド枠の必要性が少なくなったことが考えられます。

ものづくり補助金の2つの枠

(出典: 中小企業庁の公式サイトより抜粋

 

(2)基本要件(賃金の増加要件、従業員の仕事・子育て両立要件)の変更

ものづくり補助金の19次公募の基本要件は以下の通りです。

・付加価値額の年平均成長率が+3.0%以上増加
・1人あたり給与支給総額の年平均成長率が事業実施都道府県における最低賃金の直近5年間の年平均成長率以上、又は給与支給総額の年平均成長率が+2.0%以上増加
・事業所内最低賃金が事業実施都道府県における最低賃金+30円以上の水準
・次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を公表等(従業員21名以上の場合のみ)

中小企業・小規模事業者等が、革新的な製品・サービス開発を行い、上記の基本要件をすべて満たす3~5 年の事業計画に取り組むことが必要となります。
主な変更点としては、①賃上げ要件に都道府県における最低賃金との比較が加わったことや、給与支給総額の年平均成長率が+2.0%以上になったこと(18次公募までは+1.5%以上)
②従業員21名以上の場合は、一般事業主行動計画を公表等が必須になったことが挙げられます。

 

(3)補助金額、補助率の引き上げ

ものづくり補助金の19次公募における補助額・補助率は、下記の通りです。

19次公募の補助額・補助率
(出典: 中小企業庁の公式サイトより抜粋

主な変更点としては、①18次公募は「製品・サービス高付加価値化枠」の中に更に「通常型」と「成長分野進出類型」と2つ型がありましたが、19次公募では実質通常型の1つになり、補助額は、従業員規模数に応じて最大750万円~2,500万円と一部拡充されたこと。
②最低賃金引上げ特例と大幅賃上げ特例の2つの特例が新設され、最低賃金引上げ特例では補助率を2/3に引き上げ(小規模・再生事業者は除く)、大幅賃上げ特例では補助額上限額を1001,000万円上乗せされる、などが挙げられます。

 

(4)収益納付の廃止

これまで、ものづくり補助金を活用した補助事業で収益が発生した場合、その一部を国に返納する「収益納付」が義務付けられていました。
しかし、19次公募からは、この「収益納付」が廃止されます。
補助金の収益納付は、中小企業の成長を阻害する可能性があるため、19次公募のものづくり補助金では収益納付は求めなくなったと考えられます。

 

(5)交付申請の期限の設定

ものづくり補助金の19次公募のスケジュールは、以下の通りです。

19次公募スケジュール

(出典: ものづくり補助金総合サイトの公募要領より

公募開始から事業化報告までの事業の流れについては、18次公募までと同様の流れになりますが、スケジュールの進行に関する留意点が新たに追加されました。
その留意点は、以下となります。

①交付申請は、原則、採択発表日(補助金交付候補者決定日)から遅くとも2 か月以内とするとあり、新たに期限が設けられました
②交付申請及び実績報告を、補助事業実施期限内に行わない場合は、採択取消し若しくは交付決定取消しとなり、交付申請を期限内に行わない場合のペナルティーが新たに加わりました
③交付申請時点で事業計画書に記載の事業実施スケジュールどおりに進捗していない場合は、事務局にて遅延の理由、事業実施可能性等の確認が行われます。事務局において事業の遂行が困難であると判断した場合は、採択取消し等が行われます。交付申請時点での事業計画のスケジュールの進捗管理が強化されました。

今回は、補助事業を計画的に進める観点が一層強化されましたので、補助金交付候補者として採択された場合は、採択発表後、速やかに交付申請準備を行うようにしてください

 

(6)加点項目の変更

加点項目の取り組みを行う事業者は、審査時に加点が行われます。加点項目は、複数あり最大6項目について申請を行うことができます。
今回の19次公募の主な加点項目は、以下の通りです。
新たに加点項目として追加されたのは、「事業承継/M&A」と「成長加速化 マッチングサービス」になります。
一方、削減された加点項目は、「創業・第二創業後間もない事業者」、「サイバーセキュリティお助け隊サービス」、「J-クレジット制度」、「GXリーグ」、「カーボンフットプリント」となります。

<主な加点項目>
・経営革新計画~「経営革新計画」の承認を取得している事業者
・パートナーシップ構築宣言~「パートナーシップ構築宣言ポータルサイト」において宣言を公表している事業者
・事業継続力強化計画/連携事業継続力強化計画~「(連携)事業継続力強化計画」を取得している事業者
・賃上げ~補助事業終了後3~5年の事業計画期間において、従業員及び役員の給与支給総額の年平均成長率を4.0%以上増加、並びに事業所内最低賃金を毎年3月、地域別最低賃金より+40円以上の水準を満たす目標値を設定し、設定した目標値を交付決定までに全ての従業員又は従業員代表者、役員に対して表明している事業者。
・えるぼし認定~「えるぼし認定」を取得している事業者
・くるみん認定~「くるみん認定」を取得している事業
事業承継/M&A~過去3年以内に事業承継(株式譲渡等)により有機的一体としての経営資源(設備、従業員、顧客等)を引き継いだ事業者
成長加速化、マッチングサービス~中小企業庁「成長加速化マッチングサービス」で会員登録を行い、挑戦課題を登録している事業者

 

(7)審査項目の変更

審査項目については、18次公募から19次公募への変更箇所は、以下の通りです。
18次公募には5つの審査項目があり、そのうち①補助対象事業としての適格性、④政策面、⑤大幅な賃上げに取り組むための事業計画の妥当性の3つの項目は、19次公募でも継続されます。
②技術面、③事業化面については、19次公募ではなくなりますが、その内容の一部は19次公募に継続されます。
19次公募では、②経営力、③事業性、④実現可能性の項目が新たに追加されました。

ものづくり補助金の審査項目

経営力
では、①補助事業により実現したい経営目標の具体化、②外部・内部環境を分析した上で事業戦略が策定されているか、会社全体の売上高に対する補助事業の売上高が高い水準か、が問われています。この経営力の観点は、以前の審査項目の内容にはなく、新たに加わった内容となります。

事業性では、①付加価値の創出や賃上げを実現する目標値が設定され、その目標値の実現可能性が高いか、②補助事業の課題の明確化、適切な解決策が示されているか、③市場の規模や動向の分析、市場の成長性が見込まれるか、④顧客に与える価値は何か、顧客ターゲットや顧客ニーズは明確か、顧客から選ばれる利用を理解してるか、⑤代替製品・サービスの分析、競合の製品・サービスに対して補助事業の製品・サービスが差別化され、優位性が有しているか、が問われています。今回は、市場の規模や動向、代替製品・サービスを示すだけでなく、分析まで問われています

実現可能性は、①補助事業に必要な技術力を有しているか、競合他社よりも優位的な技術力か、②社内外の体制、最近の財務状況等から本事業を遂行できるか、金融機関等からの十分な資金調達が見込まれるか、③事業化までの遂行方法、スケジュールや課題の解決方法が明確かつ妥当か、④売上・収益の規模等の費用対効果が高いか、が問われています。
技術的な観点は、以前は「革新的であるか」が問われていましたが、今回は技術力を有しているか、競合他社との優位的かどうかが問われています。しかし、ものづくり補助金の趣旨は「革新的な新製品・新サービスの開発」なので、前回同様に革新的な観点は考慮すべきと思われます。
また、「中小サービス事業者の生産性向上のためのガイドライン」又は「中小企業の特定ものづくり基盤技術及びサービスの高度化に関する指針」に沿った取組であるか、は問われなくなりました。

 

(8)事務局への提出書類の変更

19次公募において、全事業者を対象とした提出書類は、以下の通りです。
今回、新たに「労働者名簿の写し」が追加されました。事業計画書は、前回まではPDF形式での提出でしたが、今回から電子申請システムへの入力に変更され、補足の図などはPDF形式での提出となりますので、ご注意ください。
なお、加点関係資料など、該当事業者のみ提出する書類もありますので、書類提出の際には、公募要領をよく確認してください。

提出書類 内容
①事業計画書 参考様式を踏まえて作成し、電子申請システムに入力します。補足の図や画像について、PDF形式で提出してください。
②補助経費に関する誓約書 電子申請システムにおいて誓約します。
③賃金引上げ計画の誓約書 電子申請システムにおいて誓約します。
④決算書等 法人は、直近2期分の貸借対照表、損益計算書、販売費及び一般管理費明細書、製造原価報告書(未作成の場合、省略可)、個別注記表をPDF形式で提出してください。
個人事業主は、直近2期分の確定申告書(第一表~第五表(申告時に提出したもののみで可))をPDF形式で提出してください。
⑤従業員数の確認資料 法人は、法人事業概況説明書の写しをPDF形式で提出してください。個人事業主は、収支内訳書又は青色申告決算書の写しをPDF形式で提出してください。[従業員数の確認]
申請時点における労働基準法に基づく労働者名簿の写しをPDF形式で提出してください。[労働者名簿の確認]

 

(9)採択後の説明会への参加の義務化

ものづくり補助金の19次公募から、補助金交付候補者として採択された事業者は、採択公表日以降に事務局が開催する説明会に参加することが義務付けされました。事業者の参加が確認できない場合は、説明会最終開催日をもって自動的に採択取消しとなります。説明会の日程は、いくつか候補日がありますので、都合をつけて必ず参加するようにしてください。

 

3.まとめ

今回は、ものづくり補助金の前回(18次公募)からの主な変更点についてお伝えしました。本記事が19次公募に向けてものづくり補助金への申請をご検討されている皆さまの参考になれば幸いです。
なお、2025年に初めてものづくり補助金へ申請をご検討中の方で、申請の細かな流れや提出書類、採択の可能性などを確認したい方は、プロコン補助金comにお問い合わせください。ものづくり補助金の採択実績が豊富なプロのコンサルタントがヒアリングを行い、丁寧にお伝え致します。

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これまでに「プロコン補助金.com」が選ばれている理由を紹介します。

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自動化設備の及び試験機の導入によるグローバルニッチトップの座の確立 自動化設備の及び試験機の導入
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業界初!注文、製造・出荷から顧客管理まで可能な一気通貫システムの導入 生産・顧客管理システム
最新型のCTP刷版機の導入よる抜本的な生産性の改善 CTP刷版機
高速型のCTP刷版機の導入によるマンガ同人誌業界での地位の確立 CTP刷版機
大型の金属試験体製作の実現による試験体製作のフルラインナップ化 ワイヤ放電加工機
小型のマシニングセンタの導入による中長期な競争優位の確立と収益性の改善 マシニングセンタ
合成樹脂原料の押出成形によるPP畳表の製造販売 ポリプロピレン押出成形機ならびに関連装置、押出成形金型、畳表織機
業界初!個人の不動産所有者と買主とのマッチングアプリの開発及び運用 アプリ開発(システム構築費)
最新型のCTP刷版機の導入よる生産性と品質改革 CTP刷版機
業界初!「LINEとの連携が可能な整骨院/鍼灸院向けの顧客管理システム」の開発及び運用 顧客管理システム
糖尿病・認知症用サプリメント「イアソ®AGE」の更なる機能性向上のための原料試験及びサプリメントの改良(開発) 原料試験及びサプリメントの改良(開発)
会員専用アプリのリニューアルによる既存顧客の退会率の低減と新規顧客の獲得の実現 システム(アプリ)開発
最新型のカラーオンデマンド印刷機の導入よる小ロット案件に対する競争力強化 カラーオンデマンド印刷機
バックオフィスの分析、診断、最適化によるDXを実現するシステムである「BPOHub(仮称)」の構築 システム開発
測量用ドローンの導入による当社の測量業務のICT化と入札案件に対する競争力の強化 測量用ドローン
自治体基盤クラウドシステム(BCL)構築によるフィリピン都市へのDX支援 システム開発
高精度レーザー干渉計の導入による光学部品の薄膜加工の高精度保証 レーザー干渉計
最新型のターニングセンター導入によるラップ研磨装置製作の競争力強化 ターニングセンター(NC旋盤)
ボトルネック工程の解消と高品質印刷を実現する生産プロセス改革 CTP刷版機
ECでの売上拡大を目指す支援ツール構築事業 システム開発
デジタルアートと高品質アパレル製品の融合による新ブランド構築 システム開発
最新型CTP刷版機導入による生産性向上、高付加価値化事業 CTP刷版機
営業職のスケジュール管理と案件管理を紐づけたアプリの開発 アプリ開発

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<採択実績のある難易度の高い補助事業名と申請枠>

ものづくり補助金(グローバル展開枠)、事業再構築補助金(サプライチェーン強靭化枠)、躍進的な事業推進のための設備投資支援事業(競争力強化枠)、設備投資緊急支援事業、明日にチャレンジ中小企業基盤強化事業]

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