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新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業の“審査の視点”を確認しよう!

新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業の“審査の視点”を確認しよう!

新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業(以下、「経営展開サポート事業」)は、中小企業の創意工夫を活かして、既存事業を深化・発展させる計画を作成した場合に各種支援を展開することで、都内中小事業者の経営基盤を強化することを目的としています。
今回は、この経営展開サポート事業の“審査の視点”について、申請書の事業計画に記載するポイントを確認しながら解説します。
経営展開サポート事業では、事業計画の内容について、専門家(審査委員)が“審査の視点”で書類審査を行い、審査の結果、一定の水準に達していると認められる場合、面接審査に進むことができます。
よって、審査の視点を考慮して事業計画を作成することは、書類審査を通過するための重要なポイントとなりますので、必ず以下の解説を確認してください。

 

1.事業計画の構成

経営展開サポート事業の申請書の事業計画は、以下の構成となっており、審査の視点(①発展性、②市場性、③実現性、④優秀性、⑤自己分析力)と関連性があります。
経営展開サポート事業の審査では、この“審査の視点”に沿って事業計画の内容を確認します。以降、審査の視点で問われている内容、ポイント等を解説します。

審査の視点
出典:新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業 申請書より当社作成

①発展性

審査の視点の①発展性では、“既存事業の深化・発展に資する取組か”、が問われています。事業計画の構成では、「1.事業計画(3)、(4)」と「2.助成事業終了後の収益計画」が該当します。以下に一項目ずつ説明します。

1-(3)深化・発展の取組内容では、既存事業の深化・発展に向けて助成金を活用し、どのようなニーズに対して何を行うのか?その取組はなぜ既存事業に基づくといえるのか?既存事業からの発展的要素がある場合はどのような新規性があるのか?を具体的に説明する必要があります。

1-(4)取組効果では、深化・発展により見込まれる効果、例えば売上や顧客数等の取組前と取組後を比較するなど、効果を定量的に説明する必要があります。

2.助成事業終了後の収益計画では、取組後の収益計画(売上と営業損益)について1~3年目の数値と算出根拠を説明し、そして収益計画を達成するための具体的方策(どのような方策を、いつから行うのか)を説明する必要があります。「本事業での取組」と「社内のその他事業での取組」とで重層的に方策を行っていく場合は、それぞれについて説明が必要となります。

②市場性

審査の視点の②市場性では、“ポストコロナ等における事業環境の変化前後の市場分析は十分か”、が問われています。事業計画の構成では、「3.市場動向、創意工夫、独自性」が該当します。以下に一項目ずつ説明します。

3-(1)本取組に対する、市場・顧客・競合他社の状況では、深化・発展を遂げた事業に係る、市場環境や顧客動向、競合する他社の状況等について説明する必要があります。その際、コロナ禍を経た社会状況の変化(物価高、エネルギー価格の高騰など)の前後で市場動向がどう変遷したか、についても触れる必要があります。なお、競合する他社との比較では、以下のように項目ごとにポイントを表にまとめると分かりやすくなります。
比較表

3-(2)上記の分析を踏まえた、本取組への顧客獲得策・市場拡大策
では、(1)の分析を踏まえ、深化・発展をした事業でどのように顧客を獲得していくか、市場でシェアを拡大していくか、等の具体策を説明する必要があります。また、事業の効果を高めるために自社で工夫できる点、独自性を発揮できる点などがあれば、併せて説明する必要があります。

③実現性

審査の視点の③実現性では、“本事業を取り組むための体制は整っているか”、が問われています。事業計画の構成では、「1.事業計画の(5)実施体制」が該当します。

1-(5)実施体制では、取組の実施に係る社内外の体制、担当者の役割分担等について、具体的に説明する必要があります。また、製品・サービス等の開発改良を伴う場合は、①開発等の実施体制 (開発従事者、経理担当者等、社内の人員配置、委託・外注先等)、②他企業との連携体制・役割分担等、③開発等における開発主担当者の関わり方等についても説明する必要があります。

④優秀性

審査の視点の④優秀性では、“事業者としての創意工夫、今後の展望はあるか”、が問われています。事業計画の構成では、「4.今後の展望」が該当します。

4.今後の展望では、本取組の実施を通して得た収益や知見を、助成事業終了後にどう活かしていくか、将来的な経営展開をどう考えているか等、事業者としての創意工夫がどのような内容で、どのように展開・発展していくのか、を説明する必要があります。その際は、自社の発展だけよりも、自社の発展と共に業界や地域の発展に貢献するといった内容の方が良いでしょう。

⑤自己分析力

審査の視点の⑤自己分析力では、“自社の状況を適切に理解しているか”、が問われています。事業計画の構成では、「1.事業計画の(1)、(2)」が該当します。以下に一項目ずつ説明します。

1-(1)自社を取り巻く環境に係るSWOT分析では、①S:強み(活かすべき自社内の強み)、②W:弱み(障害となり克服すべき自社内の弱み)、③O:機会(市場での競合優位性などプラス要素)、④T:脅威(市場縮小や競合激化などマイナス要素)について説明する必要があります。そして、SWOT分析を行った結果、どのようなことが判明したのか、を説明してください。

1-(2)取組の基となる「既存事業」では、これまで営んできた既存事業について、SWOT分析と重ならないように具体的に説明する必要があります。例えば、既存事業を、①誰に(ターゲット顧客)、②何を(どのような商品・サービス)、③どのように(提供方法)といった戦略ドメインで表現すると、わかりやすいでしょう。そして、各種事業の中から、既存事業を選んだ理由について説明する必要があります。SWOT分析の結果と関連がある場合は、強みの伸張なのか、弱みの補強なのか等、どのような狙いなのかを明確に記載する必要があります。

 

2.まとめ

新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業の“審査の視点”について説明しました。一般的に補助金や助成金の書類審査では、審査基準(審査項目、審査の視点等)を設けており、この審査基準に沿って審査委員が審査を行います。したがって、申請書の事業計画には、この審査基準を踏まえて記載することが大変重要になりますので、必ず募集要項などで審査基準を確認するようにしてください。

 

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