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新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業 機器導入や新商品、サービス開発に役立つ助成金とは?

新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業 機器導入や新商品、サービス開発に役立つ助成金とは?

新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業 (経営改善計画策定による経営基盤強化支援)(一般コース)の募集が開始されました。この東京都中小企業振興公社の助成金は、物価高騰など厳しい外部環境のなかで既存事業の強化・向上や発展を目指し、経営基盤の強化となる取組みに対し、800万円を上限に助成する事業です。東京都の事業であるため東京都内に本店又は支店が必須ですが、募集回数が多く助成対象経費が広いため活用しやすい助成金です。
本記事では 新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業 助成金の概要や特徴などについてご説明します。

<目次>
1.新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業 助成金の概要
2.新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業 助成金の特徴
3.新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業 助成金のスケジュール
4.新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業 助成金の助成対象者
5.新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業 助成金の申請
6.新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業 助成金のまとめ

1.新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業 助成金の概要

助成対象事業

既存事業の「深化」または「発展」させる取組みが必須です。従来の事業内容と無関係な事業は対象になりません。老朽化した設備の単なる更新といった競争力強化、生産性向上にならない取組みも同じく対象外です。「深化」「発展」はそれぞれ下記の取組例が挙げられています。

既存事業の「深化」

経営基盤の強化に向け、既に営んでいる事業自体の質を高めるための取組
・高性能な機器、設備の導入等による競争力強化の取組
・既存の商品やサービス等の品質向上の取組
・高効率機器、省エネ機器の導入等による生産性の向上の取組

既存事業の「発展」

経営基盤の強化に向け、既に営んでいる事業を基に、新たな事業展開を図る取組
・新たな商品、サービスの開発
・商品、サービスの新たな提供方法の導入
・その他、既存事業で得た知見等に基づく新たな取組

助成金概要

助成金の概要は以下の通りです。
【対象者】 申請要件を満たす、東京都内で事業を行う中小企業者(個人事業主を含む)

【助成対象経費】

      • 原材料・副資材費
      • 機械装置・工具器具費
      • 委託・外注費(うち市場調査費は単独申請不可)
      • 産業財産権出願・導入費
      • 規格等認証・登録費
      • 設備等導入費
      • システム等導入費
      • 専門家指導費
      • 不動産賃借料
      • 販売促進費(上限200万円)
      • その他経費(上限100万円)

【対象期間】 交付決定日から最大1年間
【助成率】 助成対象経費の2/3以内
【助成限度額】 800万円

機械装置やシステム導入費用に加え、新製品、サービス開発のための試作原材料等も対象となります。
助成対象経費のうち、委託・外注費の市場調査費、専門家指導費、販売促進費、その他経費のみでの申請はできません。機械装置・工具器具費やシステム等導入費と合わせての申請が必要です。
また、販売促進費、その他経費には上限額がある点にご注意ください。

2.新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業 助成金の特徴

①販売促進費が経費対象

新たな事業展開には販売促進が必要となります。販売促進費として、展示会出展やWebサイト制作費、更にはWeb広告費まで幅広く対象となります。
助成金は交付決定後の発注が原則ですが、展示会出展に限り申込・契約が助成対象期間前に行っても対象となる場合があります。ただし、出展する展示会の会期、支払いは助成対象期間内でなくてはなりません。

②システム等導入費が対象

機械設備だけでなく、システム導入費用も対象となります。システム構築、ソフトウェア購入に加え、ロボット等のハードウェアも対象となります。ハード、ソフト両面で省人化を目指す取組みなどに活用できます。

③不動産賃借料が対象

助成事業の取組みに必要となる場合は、事務所、施設等を新たに借りる場合に要する経費を助成対象にできます。助成対象期間に限りますが負担が大きい賃借料の助成は、新たな取組みのハードルを下げ大きな助けとなる効果が期待できます。

④書類審査と面接審査がある

書類については、申請までに事業計画書の作成が必要です。エクセルの様式に従って記載します。
自社の環境分析、既存事業の説明、助成事業の取組み内容と効果、実施体制、収益計画、市場動向、将来に向けた展望などを明確にしていく必要があります。

面接審査では申請書類に基づき内容を説明し、下記の視点で審査されます。

【審査の視点】
・発展性(既存事業の深化・発展に資する取組か)
・市場性(ポストコロナ等における事業環境の変化前後の市場分析は十分か)
・実現性(取り組むための体制は整っているか)
・優秀性(事業者としての創意工夫、今後の展望はあるか)
・自己分析力(自社の状況を適切に理解しているか)

事業計画を自身の言葉で説明出来るように準備を進めましょう。

3.新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業 助成金のスケジュール

募集スケジュールは下記の通りです。

第1回 令和6年4月1日から4月15日まで
第2回(予定) 令和6年5月1日から5月15日まで
第3回(予定) 令和6年6月3日から6月14日まで
第4回(予定) 令和6年7月1日から7月12日まで
第5回(予定) 令和6年8月1日から8月15日まで
第6回(予定) 令和6年9月2日から9月13日まで
第7回(予定) 令和6年10月1日から10月15日まで
第8回(予定) 令和6年11月1日から11月15日まで
第9回(予定) 令和6年12月2日から12月13日まで
第10回(予定) 令和7年1月6日から1月15日まで
第11回(予定) 令和7年2月3日から2月14日まで
第12回(予定) 令和7年3月3日から3月14日まで

毎月募集があるため応募のチャンスが多い助成金です。申請するタイミングを選べるため、自社の取組みとスケジュールを合わせやすくなっています。
一方で、申請件数が各月の予定数に到達した場合、申請受付期間満了前に募集を締め切られることがあります。そのため可能な限り月の早めの日に申請することをお勧めします。また全12回の募集が予定されていますが、予算の都合などで募集予定が変更となる可能性があります。申請回についても早めの申請を目指されると良いでしょう。

申請後のスケジュール

下図は申請後のスケジュール、手続きの流れを示しています。

新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業_図表1_スケジュール

出典:新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業 公募要領(https://www.tokyo-kosha.or.jp/support/josei/jigyo/kankyo-sokuo/)をもとに作成

申請から交付決定まで、目安として約2カ月程度です。その間に書類審査だけでなく面接審査も行われます。面接審査には代表者、役員・従業員のうちから最大2名が出席できます。申請書類に基づき取組み内容の説明が求められます。審査で一定の水準に達していると認められる場合に交付決定されます。

交付決定日以降にアドバイザー派遣があります。助成事業の実施場所に経営アドバイザーが派遣され、現場や帳簿の確認、ヒアリング等ののち助言を受けることとなります。
アドバイザー派遣は以下の2つのスケジュールで行われます。①は任意、②は必須です。

① 交付決定日以降、助成事業者が希望する日【任意】
経営改善に向けた助言、助成事業をより効果的に実施するための助言などを行います。
② 完了検査時【必須】
経営改善に向けた助言、完了した助成事業を効果的に運用するための助言などを行います。

4.新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業 助成金の助成対象者

助成対象者の要件のうち主なものを下記に挙げます。

都内の中小企業者で、大企業が実質的に経営に参画していないこと。

中小企業者とは、会社(株式会社、合同会社、合名会社、合資会社、有限会社)及び個人事業者です。法人ではない個人事業者も助成対象となります。
下図は中小企業者に該当する法人を示しています。

新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業_図表2_助成対象者

出典:新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業 公募要領(https://www.tokyo-kosha.or.jp/support/josei/jigyo/kankyo-sokuo/

ここでの「大企業」は上図の中小企業者以外で事業を行う者を指します。大企業が実質的に経営に参画している場合は助成を受けることはできません。

令和6年4月1日時点で下記ア・イのいずれかに該当し、下記ウに該当すること。

ア 法 人:本店(実施場所が都内の場合は支店でも可)の登記が都内にあること
イ 個人事業者:納税地が都内にあること
ウ 直近決算期の売上高が、「2019 年の決算期以降のいずれかの決算期」と比較して減少している、又は直近決算期において損失を計上していること

つまり、①都内に所在する中小企業者であること②直近決算期の売上の減少または“損失”、が必須です。

申請内容が、申請者が所有又は賃借する本社・事業所・工場等において取り組まれ、実施場所に応じて以下の条件を満たすこと。

下図は事業実施場所の所在地による条件の違いを示しています。

新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業_図表3_事業実施場所

出典:新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業 公募要領(https://www.tokyo-kosha.or.jp/support/josei/jigyo/kankyo-sokuo/

事業実施場所が東京都内であれば、東京都内の登記は支店も認められます。一方、事業実施場所が上図に示された近県の場合は、東京都内に本店の登記が必要です。

5.新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業 助成金の申請

電子申請

申請方法はjGrants (https://www.jgrants-portal.go.jp/)というウェブサイトから電子申請で行います。その申請をするためにはgBizIDプライムアカウントを作成する必要があります。
下図はgBizIDプライムの申請方法を示しています。

新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業_図表4_gBizID

出典:gBizIDウェブサイト(https://gbiz-id.go.jp/

gBizIDプライムアカウントの作成は書類郵送申請とオンライン申請の2種類があります。書類郵送申請は発行まで1週間程度かかります。期日に余裕をもって申請してください。オンライン申請は最短で即日発行されますが、対象の法人種別に限定があることにご注意ください。

申請に必要となる書類

下図は申請に必要となる書類の一覧です。

新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業_図表5_必要書類1

新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業_図表6_必要書類2

新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業_図表7_必要書類3

新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業_図表8_必要書類4

出典:新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業 公募要領(https://www.tokyo-kosha.or.jp/support/josei/jigyo/kankyo-sokuo/

事務局が用意している申請様式は、「申請要件確認チャート」(https://www.tokyo-kosha.or.jp/support/josei/jigyo/kankyo-sokuo/start_kankyo-sokuo_chart_01.html)の質問に答えた後にダウンロードできます。エクセル形式で、事業計画や助成対象経費などを記入して提出します。同じページに記入例が用意されていますので参考にしてください。

6.新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業 助成金のまとめ

新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業 助成金について概要と特徴を説明しました。この助成金は毎月募集があり、申請できるチャンスが多く、補助対象経費も幅広いため使い勝手の良い助成金です。一方、予算の都合で申請受付期間満了前に締め切られる可能性があるため早めの申請をお勧めします。また面接審査があるため、質問に対して事業の内容を明確に説明できる必要があります。そのため、事業内容をよく検討し、計画的に準備を進めましょう。

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