ものづくり補助金は、機械装置の設備導入以外も支援の対象としています。例えば、スマホアプリ開発や生産管理システム、顧客管理システムの購入・構築なども対象となります。この記事では、「ものづくり補助金を活用した情報システム等事業の成果事例」を紹介します。
ものづくり補助事業公式ホームページ「ものづくり補助金総合サイト」では、ものづくり補助金の活用方法の参考として成果事例を公開しています。今回、その成果事例の中から情報システム関連の事例を紹介します。自社にて情報システムを検討する際の参考にして頂ければ幸いです。
・企業名:株式会社共同電算センター(情報サービス業)
・事業計画名:「業務効率化支援システム」の試作品作成計画
出典:ものづくり補助金総合サイト
・概要:同社は1982年に設立され、「卸・小売間」の受発注システム、及び物流・情報システムに係わる開発を行っている。自社で作業日報システムを開発し、各企業の業務内容に合わせた業務効率化を提案してきていたが、データを手入力しなければならず、翌日でなければ事業所全体の業務進捗等を確認できないことが課題であった。そこで、その作業日報システムを更に前進させ、業務効率化を支援する”中小企業向けシステム開発”を行うことにした。
・システム開発における課題
◆物量に応じた人員配置等の見直しをリアルタイムにできない。
◆エクセルで効率表を作成・印刷しているため、限られた場所でしか確認できない。
◆作業実績の入力、作業効率表等の作成に約3時間を要する(約100人分)。
◆記入用紙の印刷・購入費用が発生する。
◆作業コードは記入用紙に印刷されており、コード増減時は別紙を印刷し備考欄への記入が必要である。
・システム概要(出典:ものづくり補助金総合サイト)
・実施内容
◆クラウド環境の活用
クラウド環境とICカードを利用することで、インターネット接続環境下であれば、作業状況及び効率をリアルタイムで確認できる。また、データ収集端末の故障の際はWebアプリから作業実績の入力・訂正も可能。
◆データ収集端末の作業項目表示
設置場所及び設置方向によって一画面に表示する作業項目数を①縦3×横3、②縦5×横3、③縦2×横2、で選択可能とする。
◆運用テスト
実際の運用を想定し、作業員100名にICカードを配布、データ収集用端末を各作業場に設置しテスト運用を実施した。
・本事業での成果(運用テストにより、以下の成果を確認)
◆データ入力時間の短縮
ICカードを採用し、Webで基本的なチェック機能を付与したことにより、約100人分のデータ入力時間が3時間から1時間に短縮。
◆作業区分の拡充
作業区分の登録が、最大99区分から9,999区分と大幅に拡充された。
◆作業効率の把握
作業者ごとの作業効率をリアルタイムで確認可能。
◆利便性向上
設置場所付近で行われる主な作業を設定しておくことで、作業者の入力時間を短縮できる
・今後の展望
出退勤システムとICカード共用化等の追加開発を行い、また、食品・日用品等の消費財を取り扱う東北6県の卸売業者を対象に、当社ホームページやダイレクトメール等による販路拡大を図り、事業完了後5年目で売上5,160千円を目指す。
「もの補助成果事例」から、ものづくり補助金に採用された事業者がシステム開発を行った事例を紹介しました。次回も情報システム等事業の成果事例を紹介をしますので、ご期待ください!
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