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どの補助金が最適?ものづくり補助金との比較

選択、比較

どの補助金が最適?ものづくり補助金との比較

国の施策として実施される補助金は、企業の活動をバックアップする強力な支援策です。しかし、これらは一見類似していて、どの補助金が自社に最適かを迷う場面もあるでしょう。本記事ではものづくり補助金と他の補助金とを比較し、最適な補助金を選択するポイントについて説明します。

ものづくり補助金との比較、中小企業生産性革命推進事業

中小企業生産性革命推進事業は、中小企業全体の付加価値額と労働生産性の向上を目的とする事業です。この事業では4つの補助金が用意されています。ものづくり補助金はその1つです。
下図は2024年度に予定されている中小企業生産性革命推進事業4補助金の概要を示しています。

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出典:経済産業省WEBサイト(https://www.meti.go.jp/main/yosan/yosan_fy2023/hosei/

ものづくり補助金

中小企業・小規模事業者等が革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行うための設備投資等を支援します。他の補助金と比較して補助上限額が高いことも特徴です。

「ものづくり補助金」の略称から誤解されることがありますが、その対象はものづくり企業だけではなく、対象となる業種に限定はありません。サービス業の生産性向上にも活用でき、例えば顧客向けアプリを開発するといったシステム構築も補助対象です。詳しくはシステム構築の記事(https://procon-hojyokin.com/systemkaihatsu/)を参照してください。

小規模事業者持続化補助金

小規模事業者等が自ら経営計画を作成して取り組む販路開拓等の取組みを支援する補助金です。
申請時点で小規模事業者であることが要件です。小規模事業者の該当性は、業種と従業員数で判断されます。下図は小規模事業者の判定基準を示しています。

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出典:小規模事業者持続化補助金WEBサイト(https://s23.jizokukahojokin.info/

補助上限額は他の補助金と比べると少額ですが、提出書類や手続きが比較的シンプルです。少額の販路開拓に活用しやすい補助金です。チラシの配布、新商品の開発、展示会出展等に活用できます。また機械装置の購入もできます。そのため、例えば飲食店が新たなメニュー提供のために厨房設備を導入する場合等にも適しています。

IT導入補助金

中小企業等の様々な経営課題を解決するためのITツール導入を支援する補助金です。業務のデジタル化やDXの推進、サイバーセキュリティ対策、インボイス制度への対応等に向けた支援となります。
この補助金を利用して導入するサービスやツールは、事務局が事前に審査し登録されたIT導入支援事業者・ITツール(ソフトウェア、サービス等)の中から選択するので、例えばものづくり補助金を利用して導入する設備は事業者が自由に選べることと比較すると性格が異なります。会計や自動化ソフトの導入、ECサイトの構築等に活用できます。

事業承継・引継ぎ補助金

事業承継・M&A・グループ化後の新たな取組み(設備投資、販路開拓等)や、M&A時の専門家活用費用等を支援する補助金です。利用できるのは事業承継・M&Aに係る費用に限定されますが、出費を抑えて事業の再構築に資源を集中できます。事業承継、事業統合は費用がかかる取組みですので、要件が合致すれば強力な支援策となります。

どの補助金を活用すれば良いか?

補助上限額が高いものづくり補助金は、設備投資に適しています。数百~数千万円といった高額の設備投資、システム構築を検討している場合に最適です。一方で、給与支給総額、事業場内最低賃金の増加の達成が求められます。得られる補助金と比較してメリットが上回るかをよく検討しましょう。

比較的少額な販路開拓を検討している場合は、小規模事業者持続化補助金が適しています。ただし、従業員数が小規模事業者の基準に合致している必要があります。また自社WEBサイト作成やWEB広告にも活用できます。ただし補助対象経費の一部に金額が限定される点は注意が必要です。

IT導入補助金は登録されているITツールと自社の希望が合致すれば活用できます。既存ITツールの導入で解決する課題に適しています。IT導入補助金のWEBサイトで登録ツールを検索してみましょう。

組織再編による事業構築を目指している場合は、事業承継・引継ぎ補助金が適しています。ただし補助対象期間と取組みのスケジュールが合致している必要があります。特にM&Aは成約まで時間を要し自由にスケジュールが調整できない場合もあります。交付決定時期等がスケジュールに合致しているかを確認しておきましょう。

補助金は併用できる?

複数の補助金に、同一または類似の取組みを申請することはできませんが、異なる取組みであれば複数の補助金への申請も可能です。
例えば、生産性向上のための設備導入にものづくり補助金を活用し、商品・サービスの販路開拓のために小規模事業者持続化補助金を活用するといった組み合わせや、M&Aで事業承継・引継ぎ補助金を活用し、事業統合後の設備導入にものづくり補助金を活用することも考えられます。

また、国の補助金だけではなく、都道府県等の自治体の補助金もあります。例えば東京都の「躍進的な事業推進のための設備投資支援事業」では補助上限額が1億円に達する強力な支援策です。自治体等の補助金は地域の課題に即した支援策が用意されている可能性があります。

思い描く事業の成長のために

上述のように、ものづくり補助金の他にも、様々な補助金があります。申請要件や補助対象経費の確認等、考える視点が多岐にわたります。補助金の有効活用に気を取られて、事業計画がおろそかになっては本末転倒です。やはり思い描く事業が先にあるべきです。事業計画に基づき最適な補助金の活用へとつなげるため、専門家とともに検討すると良いでしょう。
補助金のご検討の際はプロコン補助金.comの申請代行サービスをご活用ください。詳しくは「ものづくり補助金の申請代行なら【プロコン補助金.com】へお任せください。」の記事をご参照ください。

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