大規模成長投資補助金(正式名称『中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金』)は、中堅・中小企業が人手不足等の喫緊の課題に対応し、成長していくことを目指して行う大規模な設備投資を促進することで、地方における持続的な賃上げを実現することを目的とした補助金です。 この制度は、持続的な賃上げを目指す中堅・中小企業の成長を支援し、人手不足に対処するために設けられており、新設される工場や大規模設備への投資を促進し、地域の雇用と賃上げを実現することを目指しています。
(補助金の詳細についてはこちらの記事をご参照ください。「大規模成長投資補助金の概要と特徴」)
大規模成長投資補助金に応募するために必要な書類のひとつとして、「ローカルベンチマーク」(財務分析のみ)があります。このローカルベンチマークは政府の各種施策と連携しており、各種補助金等の申請に活用されています。
そこで、今回の記事では「ローカルベンチマーク」について詳しく解説します。
ローカルベンチマークは、経済産業省が作成・提供しているツールであり、地域企業をサポートするための評価指標・評価手法として検討されたのが始まりです。
通称「ロカベン」と呼ばれ、現在は「企業の健康診断ツール」として活用されています。企業の現状把握、現状を踏まえた経営改善の推進に効果的です。
エクセルシートで提供されており、財務面(6つの指標)と非財務面(商流・業務フロー、4つの視点)に関する必要事項を入力することで企業分析を行います。
様々な財務指標に加え、自社の業務フローや課題・対応策を可視化することができます。
財務面を分析できるツールは数多くありますが、非財務面まで分析できるツールは少ないため、この点が最も大きな特徴だといえます。
ローカルベンチマークは経済産業省の公式ページからダウンロードができます。
ファイルは「財務分析」、「商流・業務フロー」、「4つの視点」の3つの入力シートで構成されています。
過去3期分の決算書などから、自社の従業員数や売上、営業利益、資産や負債などの情報を入力します。
入力した内容を元に、6つの指標(売上増加率、営業利益率、労働生産性、有利子負債倍率、営業運転資本回転期間、自己資本比率)が計算されます。
自社業務の実施内容・差別化ポイント、仕入れ先・協力先・得意先・エンドユーザーの取引内容・選定理由などを記載します。
業務の流れやなぜ自社が選ばれているかを客観的に考えることで、強みを可視化することができるようになります。
経営者、事業、企業を取り巻く環境・関係者、内部管理体制、の4つのそれぞれの視点から自社について分析します。
分析によって得られた自社の現状と将来の目標とのギャップを確認し、そのギャップを埋めるための課題と対応策を導き出します。
(経済産業省:ローカルベンチマークシートより抜粋)
シートへの入力をするだけでは意味がありません。可視化された情報を有効に活用して、自社の経営改善に取り組みましょう。
財務分析では、売上持続性、収益性、生産性、健全性、効率性、安全性について業種に応じた6つの基準で点数が付けられ、自社の現状を客観的に把握することができます。
課題が可視化されるため、共有がしやすくなります。社内だけでなく、金融機関、支援機関、取引先など広い範囲で共有し、様々な視点からの意見を取り入れることも可能となります。
差別化ポイントや強みを生かしながら、改善できるところがないかを検討して流れを最適化していきましょう。
経済産業省では実際の企業におけるローカルベンチマークの活用事例を公開していますので、こちらもご参照ください。
今回はローカルベンチマークの全体像と活用方法について紹介しました。
大規模成長投資補助金への応募に必要な資料はローカルベンチマークの3シートのうち「財務分析」のみですが、今後も様々な補助金・助成金などの支援制度への添付を求められる可能性があります。
また事業計画書の策定においても自社の可視化や経営改善に有効なツールですので、積極的に活用していきましょう。
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