1次公募の結果を受け、大規模成長投資補助金の再チャレンジ申請を検討されている方もいらっしゃることでしょう。たとえ大規模成長投資補助金に申請し不採択となったとしても諦めることはありません。補助金申請では再チャレンジで採択となる事例が多くあります。とはいえ、多くの労力を費やし検証を重ねた事業計画が不採択となり、今後の進め方に迷うことでしょう。
そこで本記事では次回公募での申請を検討している方に大規模成長投資補助金の再チャレンジ申請に向けたポイントを説明します。
まずは3つのステップで大規模成長投資補助金の再チャレンジ申請の可能性を検討しましょう。
大規模成長投資補助金の再チャレンジ申請のため、不採択理由を検証する材料を集めましょう。下図は各審査項目と不採択理由詳細の情報開示についての事務局対応を示しています。
出典:大規模成長投資補助金事務局WEBサイト「1次公募 書面審査の不採択理由の詳細の情報開示についてのお知らせ」(https://seichotoushi-hojo.jp/)
上図の通り、大規模成長投資補助金事務局は、希望者に対し不採択理由の詳細を開示しています。これは、総合評価及び各審査項目の相対順位(不採択者のうち、上位・中位・下位のいずれに属するか)の情報です。審査項目ごとの相対評価が大まかに分かる程度ですが、不採択理由を探るヒントになります。
補助金は公募回ごとに要件の見直しなどの変更が入る可能性があります。そのため、必ず最新の公募要領で事業や対象経費に問題がないかを確認しましょう。
たとえば、前回の提出書類の再使用にも注意が必要です。書類が変更になっているかもしれません。特に補助金事務局が用意している申請様式は必ず最新のものを使用しましょう。以前の公募回の様式だと書類不備となる可能性があります。
また、事業実施のスケジュールについても確認しましょう。再申請では交付決定時期が後ろ倒しとなることで補助対象期間が短くなります。そのため、工事期間や機械の納期などは補助対象期間内で完了できるでしょうか。
前回の申請について不採択原因を探し、改善できるかを検証し対策します。以前の計画を見直しせず申請し直しても同じ結果となるでしょう。ここでどれだけ原因を見つけ出し、丁寧に対策を打てるかが重要です。次章で詳細に見ていきます。
再チャレンジ申請に向け、不採択原因がどこに潜んでいるかを整理するため、次の4つの段階で検証します。
提出書類の不備が不採択の原因となった場合です。これは意外に提出書類の単純ミスは起きうるものです。そのため複数人で確認するなど、チェック体制の強化を図りましょう。
書類ごとにエクセル、PDFなど指定された仕様に沿っているでしょうか。またデータは破損していないでしょうか。たとえばPDFに変換して提出する書類の場合は、出力後のPDFは意図通りであるかをあらためて目視確認しましょう。
自社の事業計画が申請要件に沿ったものかを最新の公募要領で精査しましょう。仮に要件に抵触する場合、それは解消できるものでしょうか。たとえば補助対象経費に不備が潜んでいる可能性があります。そのため、対象外と記載されている経費を計上していないかを確認しましょう。
事務局に開示してもらった審査評価をもとに低評価項目の原因を洗い出しましょう。5つの審査基準はさらに3項目に細分化されています。各項目に沿って自己採点してみることで原因を探ります。
例えば「①経営力」の評価が低い場合は、長期成長ビジョンは明確でしょうか、成果目標を達成するために効果的な補助事業となっているでしょうか。詳細は大規模成長投資補助金の審査基準の記事を参考にしてください。
また、高評価とされた審査項目にも注意を払いましょう。細項目ごとに見れば評価を改善できる点が見つかるかもしれません。
コンソーシアム形式で不採択となった場合は、単独申請への切り替えも検討しましょう。複数の企業連携での事業実施は難易度が高くなるため、実現可能性が低いと見られる可能性があります。
1次審査を通過したものの、プレゼンテーション審査で不採択となった場合の対応です。まずは記憶が新しいうちにプレゼンテーションの内容をメモに残しましょう。これは、プレゼンテーションと書面で食い違いは無かったかなどを検証する貴重な材料となります。また、プレゼンテーションでの質疑応答にヒントが隠されているかもしれません。そこが外部有識者の疑問に感じたポイントだった可能性があります。
プレゼンテーション審査は金融機関の担当者が同席すると加点となります。その上、加点だけでなく財務面での実現可能性を補強する要素となりえます。可能であれば金融機関に担当者の同席を打診してみましょう。
本記事では大規模成長投資補助金の再チャレンジ申請について説明しました。たとえ不採択となっても丁寧に見直し、再申請すれば採択となる可能性は十分にあります。そして実現性の高い事業計画を策定することは補助金の申請のみならず、自社の成長を後押しすることにもつながります。そのため、しっかりと中長期を見据えたビジョンを描きましょう。
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