
本記事では、大規模成長投資補助金の申請サポートにおいて 採択率100%の実績を持つコンサルタントが、「中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金」(以下、2026年の大規模成長投資補助金)について、制度概要・採択分析、申請前に準備・確認しておくべきポイントをわかりやすく解説します。
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・大規模成長投資補助金は、地域の雇用を支える中堅・中小企業が、足下の人手不足等の構造的課題に対応し、成長していくことを目指して行う大規模な設備投資を促進することで、地方における持続的な賃上げを実現することを目的とした補助金です。 この補助事業では、労働生産性の抜本的な向上と事業規模の拡大を図るために行う工場等の拠点新設や大規模な設備投資に必要な費用等が補助対象経費となります。予算規模については、2025年の総額3,000億円から、2026年は総額4,121億円と1,121億円増額されており、国としても本補助金を中堅・中小企業の成長投資・賃上げ政策の中核に位置づけていることがうかがえます。
・2026年の大規模成長投資補助金の事業実施期間は、交付決定日から最長で2028年12月末までです。補助を受ける設備等の発注から納入、入金までをこの期間内に完了させる必要があります。5次公募(2026年度)のスケジュールについては、公式に公開された「公募概要資料」に基づき、前年(2025年度3次公募)とほぼ同様の流れになると考えられます。
以下のようなスケジュールが想定されます。
・5次公募開始予定:3月上旬頃
・5次公募締切予定:4月下旬頃
・プレゼンテーション審査予定:6月上中旬頃
・採択発表予定:6月下旬頃
<前年(2025年)の大規模成長投資補助金の3次公募のスケジュール(参考)>
【出典:中堅・中小成長投資補助金事務局HP】

・大規模成長投資補助金の補助対象者は、中堅・中小・スタートアップ企業(従業員数2,000人以下、みなし大企業除く)で、原則として常時使用する従業員数が2,000人以下の事業者が対象となります。ただし、いわゆる「みなし大企業」に該当する場合は補助対象外となるため、注意が必要です。
また、一定の要件を満たす場合は、中堅・中小・スタートアップ企業を中心とした共同申請(コンソーシアム形式)も対象となります。
2026年度公募では、スタートアップ企業が新たに対象に追加されている点も特徴の1つです。なお、「中小企業基本法」における中小企業者の定義(資本金、従業員の数)に該当しても、上記の定義に該当しない場合は対象外となりますので、ご留意ください。小規模事業者やみなし大企業も対象外です。
みなし大企業の定義は、中堅・中小成長投資補助金事務局HPの「よくある質問」の回答によると以下の通りです。2026年の大規模成長投資補助金においても同じ定義になると考えられます。具体的には、常時使用する従業員数が2,000人超の事業者は大企業とされ、本補助金の対象外となります。
補助事業の実施内容(概要)の公開情報は以下の通りです(2025年12月26日現在)。
※表はスクロール表示
| 1.対象事業 | 持続的な賃上げを目的に、足元の人手不足に対応するための省力化等による労働生産性の抜本的な向上と事業規模の拡大を図るために行う工場等の拠点新設や大規模な設備投資 |
|---|---|
| 2.対象経費 | 工場等の拠点新設や大規模な設備投資に係る費用 建物費(拠点新設、増築等)、機械装置費(器具・備品含む)、ソフトウェア費、外注費、専門家経費 |
| 3.要件 | ① 投資額20億円以上(専門家経費・外注費を除く補助対象経費分)※100億宣言企業は投資額15億円以上 ② 賃上げ要件(補助事業終了後3年間の対象事業に関わる従業員等1人当たり給与支給総額の年平均上昇率5.0%以上)(100億宣言企業は4.5%以上) |
| 4.補助上限 | 50億円 |
| 5.補助率 | 補助対象経費の1/3以内 |
5次公募では、投資額要件が4次公募の10億円から20億円へと大幅に引き上げられました。あわせて100億宣言企業(新規)については15億円以上と定められています。また、賃上げ要件についても、従業員等1人当たり給与支給総額の年平均上昇率が、4次公募の4.5%以上から5次公募では5.0%以上へ引き上げられ要件が厳格化されています(100億宣言企業については4.5%以上)。
これらの変更点から、2026年度の大規模成長投資補助金は、従来から大規模な成長投資を前提としてきた制度の方向性をさらに明確化し、より実効性が高く、持続的な賃上げにつながる投資計画を有する企業を重点的に支援する制度へと進化していると読み取ることができます。
過去(2024年~2025年)に実施された大規模成長投資補助金の公募別採択率を見ると、公募回によって大きな差があることが分かります。具体的には、制度開始初期である1次・2次公募では採択率が10%前後と非常に低水準であった一方、応募件数が落ち着いた3次・4次公募では、採択率が約50%前後まで上昇しています。
※表はスクロール表示
| 公募回 | 応募件数 | 書類審査通過件数(率) | プレゼン審査通過件数(率) | 最終採択件数 | 採択率 | 平均投資額 | 平均目標賃上げ率(中央値) | 採択者の総補助金額 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2024年 1次公募 | 736 | 254(35%) | 109(40%) | 109 | 15% | 約54億円 | 4.3% | 1,780億円 |
| 2024年 2次公募 | 605 | 218(36%) | 55(25%) | 55 | 9% | 約47億円 | 5.5% | 公表なし |
| 2025年 3次公募 | 229 | 177(77%) | 116(65%) | 116 | 50% | 約62億円 | 6.2% | 1,812億円 |
| 2025年 4次公募 | 210 | 140(66%) | 102(72%) | 102 | 48% | 約38億円 | 6.5% | 1,138億円 |
※「公表なし」は、公開資料に明確な記載がない項目です。
・2026年の大規模成長投資補助金の採択率は、40~50%前後になる可能性が高いと考えられます。
過去の傾向を見ると、制度開始初期の公募では採択率が10%前後と低水準であった一方、応募件数が落ち着いた後半の公募では、採択率が約50%まで上昇しています。2026年は予算規模が拡充される一方で、投資額や賃上げ要件が厳格化されており、結果として応募企業の数・質が一定程度絞られることが予想されます。このため、3次・4次公募と同程度の採択率が維持される可能性はあるものの、事業の実現性や成長性については、これまで以上に厳しく審査される点に注意が必要です。
(3)大規模成長投資補助金の採択事例
・採択企業(3次公募)の一例として、3次公募で当社がサポートし採択された「中本Fine Pack株式会社」の事例を紹介します。本事例の特徴は、食品容器分野を中核事業と位置付け、人と環境にやさしいグローバル企業を目指す長期成長ビジョンのもと、生産拠点の再編と環境対応型新工場の構造改革を同時に進めている点にあります。既存工場の立地制約により課題となっていたPET材料の再利用、省人・省力化、物流効率化、CO₂排出削減、騒音対策などを、新工場への生産集約と一貫生産体制の構築によって解決しています。
また、リサイクル材を活用したPETシートの内製化や生産端材の再資源化、自動化・省エネルギー設備の導入により、人手不足への対応と労働生産性の大幅な向上を実現しています。さらに、賃上げを伴う人材確保・定着を中長期計画に組み込み、地域社会への貢献と持続的な企業成長を具体的な数値目標として示している点が、高く評価されたものと考えられます。


・なお、過去の大規模成長投資補助金で採択された企業の事例は、中堅・中小成長投資補助金事務局のHPにて公開されています。「補助金交付が決定した企業(随時更新)」の住所、又は業種から採択企業の事例を検索できます(以下参照)。

2026年の申請を検討している企業にとっては、自社が計画する事業内容と類似した採択事例を調査・確認することで、事業構想や計画策定の参考になるでしょう。
(4)採択企業に共通する数値水準①|各指標中央値から見る審査の目安(ベンチマーク)
1次~4次公募における採択者および申請者全体の各指標中央値(各指標を数値の高い順に並べた際の中央の値)については、中堅・中小成長投資補助金事務局のHPにて公表されています。
本補助金で設定されている5つの指標、すなわち①経営力、②先進性・成長性、③地域への波及効果、④大規模投資・費用対効果、⑤実現可能性は、審査項目そのものと一致しています。このことから、これら5つの指標を総合的に高めることが、採択の可能性の向上に直結すると考えられます。
言い換えれば、事務局としては「採択者の各指標中央値」を一つのベンチマークとして提示し、申請事業者に対して計画水準の目安を示しているとも読み取れます。もちろん、これらの数値のみで審査が行われるわけではありませんが、特に一次審査においては重要な判断材料の一つになっていると推察されます。
これまでに4回の公募が実施され、公募回ごとに採択者および申請者全体の各指標中央値が公表されてきました。その結果、すべての公募回において、採択者の指標中央値は申請者全体を上回っており、各指標が高いほど採択されやすい傾向が明確に表れています。
また、①~⑤の項目別に見ると、各公募回で最も高い数値は黄色のセルで示されていますが、その多くが3次および4次公募の採択者に集中しています。この点から、公募回を重ねるごとに審査水準が引き上げられている可能性がうかがえます。
したがって、2026年の大規模成長投資補助金への申請を検討している企業においては、直近の採択者の指標水準を確認したうえで、それを上回る数値目標を具体的に示すことができれば、採択可能性は相対的に高まると考えられます。
本分析では、採択企業の中で最も件数の多い製造業(98件中62件)に着目し、その中から10社を抽出して、公開されている各指標の一部を比較しました。
全社年平均売上高成長率を見ると、65%/年と非常に高い水準の企業が存在する一方で、14%/年(3次公募採択者の中央値)を下回る企業も一定数確認されます。全社売上高増加額については、約23.9億円から316億円まで幅広く分布していますが、売上成長率が同程度であれば、基準年度の売上規模が大きい企業ほど増加額も大きくなる傾向が見て取れます。
補助事業における年平均労働生産性の伸びは、15.7%/年から47.6%/年とばらつきがあるものの、26%/年前後の水準に集中している点が特徴です。また、年平均従業員目標賃上げ率については、6.2%/年(3次公募採択者の中央値)以上を設定している企業が10社中6社を占めており、賃上げを重要な経営テーマとして位置付けている企業が多いことが読み取れます。
公表されていない指標も多く存在するため、5つの評価指標すべてを網羅的に比較することはできませんが、公開情報から読み取れる限りでは、すべての指標で採択者中央値を上回っている企業は確認されませんでした。しかしながら、複数の重要指標において中央値を大きく上回る数値を示している企業が採択されている点から、特定の指標で明確な強みを示すことが、採択の可能性を高める一因になっていると考えられます。

出典:中堅・中小成長投資補助金事務局HPの情報を元に加工
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大規模成長投資補助金は、投資規模が大きく、申請書類の完成度だけでなく、事業そのものの実行可能性や経営戦略との整合性が厳しく問われる補助金です。ここでは、2026年公募に向けて申請を検討する企業が、申請前の段階で必ず整理・確認しておくべきポイントを、実務の観点から整理します。
大規模成長投資補助金は、単なる設備更新ではなく、「持続的な賃上げを実現する成長投資」であることが強く求められます。そのため、申請前に当該投資が自社の中長期経営戦略や事業ポートフォリオの中でどの位置付けにあるのかを明確にしておく必要があります。補助金ありきではなく、経営戦略を実行する手段として補助金が適合しているかを冷静に検証することが重要です。
上述の通り、過去の採択事例の分析を見ると、売上成長率、労働生産性、賃上げ率などの各指標において、採択者は一定水準以上の数値目標を掲げています。申請にあたっては、これらの指標を意識した数値計画を早期に整理し、その算出根拠や前提条件を明確にしておくことが不可欠です。特に、直近の採択者中央値を一つの目安とし、それを上回る合理的な説明ができるかが重要になります。
本補助金は投資規模が大きく、交付決定から補助金の入金までに長期間を要するため、補助金相当額を一時的に立て替える資金余力が求められます。そのため、申請前の段階で金融機関と十分に協議し、借入条件や返済期間を含めた資金調達計画を整理しておくことが重要です。補助金入金までのキャッシュフローを見据えた慎重な資金計画が、事業の実現性評価にも直結します。
大規模成長投資補助金含め補助金の申請において多い失敗例として、「補助金ありき」で事業計画を組み立ててしまうケースです。経営戦略との整合性が弱い計画や、数値目標の根拠が不十分な計画は、審査段階で実現性に疑問を持たれやすくなります。また、資金調達や社内体制の検討が不十分なまま申請を進め、後から計画修正を余儀なくされる例も見受けられます。申請前の準備不足は、採択の可能性を大きく下げる要因とるため、早い段階からの入念な検討が不可欠です。
2026年の大規模成長投資補助金では、投資規模要件が20億円以上と一層大型化し、賃上げ要件についても年平均5%以上が求められるなど、制度全体としてハードルが引き上げられています。そのため、これまで以上に「事業計画が実行可能か」「指標の数値が、実現可能な前提条件に基づいて設定されているか」という視点での厳格な審査が想定されます。特に、賃上げ計画については一時的な引き上げではなく、事業成長と連動した持続性が問われるため、無理のない中長期計画の構築が重要となります。
本記事では、2026年の大規模成長投資補助金について、制度概要、採択率の推移、採択事例および各種指標の分析、申請前に準備すべきポイントを整理しました。本補助金は投資額・賃上げ要件が高く、他の補助金と比べて採択の難易度が高いことから、実効性の高い成長投資計画書の作成が不可欠です。特に、2027年~2028年に新工場建設や大規模設備投資を予定している企業は、直近の採択水準を踏まえつつ、早期に検討を開始し、余裕を持って計画的に申請準備を進めることが、採択の可能性を高める大きなポイントとなります。
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