本記事では、2025年公募開始予定の「中小企業新事業進出促進補助金」の概要や、ものづくり補助金と比較した申請を検討する際のポイントについてお伝えします。
中小企業新事業進出促進補助金とは、事業再構築補助金の後継として新設された補助金で、既存事業とは異なる新事業への前向きな挑戦を支援します。事業再構築補助金と同様に、建物費や設備投資などが対象経費です。支援の対象は、中小企業や個人事業主などです。
2026年3月末までに4回程度の公募が実施され、6,000社程度が採択される見込みです。
中小企業新事業進出促進補助金は、生産性向上を図り、賃上げにつなげるため、既存事業とは異なる新市場・高付加価値となる新たな事業への挑戦が対象です。
下図は中小企業新事業進出促進補助金の概要を示しています。
出典:中小企業庁「中小企業新事業進出促進事業の概要」(https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/jizen/2024/241205.pdf)
上図のとおり、補助上限額が最大で9,000万円と、支援規模の大きい補助金です。また補助対象経費では、機械装置やシステム構築等の設備投資に加えて、建物費が補助対象となります。多くの補助金が対象としていない工場や店舗などの多額の工事費用を軽減できます。そのため、新事業に必要となる経費を一貫して支援する補助金と言えるでしょう。
事業再構築補助金との比較では、中小企業の成長に対し、より重点が置かれていることが伺えます。また、新設の補助金となったことで、事業再構築補助金の採択者が応募できるのかも注目のポイントです。
中小企業新事業進出促進補助金と同様に、中小企業にとって使い勝手が良い、「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金(以下、ものづくり補助金)」があります。ものづくり補助金と比較し、申請判断のポイントを見ていきましょう。
【中小企業新事業進出促進補助金】
既存事業とは異なる新事業進出のための建物工事、設備投資等【ものづくり補助金】
生産性向上に資する革新的サービス開発・試作品開発を行うための設備投資等
中小企業新事業進出促進補助金では、新事業であることが前提となります。新事業であるか否かの判断基準については、後日指針が示されるものと見られます。ものづくり補助金では既存事業、新事業の縛りがありません。既存事業である場合は、ものづくり補助金への申請を検討されると良いでしょう。また、東京都限定ですが、「経営展開サポート事業」も、ものづくり補助金と同様に既存事業を対象とした使い勝手が良い助成金です。
【中小企業新事業進出促進補助金】
建物費、構築物費、機械装置・システム構築費、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、外注費、知的財産権等関連経費、広告宣伝・販売促進費【ものづくり補助金】
<申請枠共通>機械装置・システム構築費(必須)、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、原材料費、外注費、知的財産権等関連経費
<グローバル枠のみ>海外旅費、通訳・翻訳費、広告宣伝・販売促進費
中小企業新事業進出促進補助金では、建物費、構築物費が対象となります。昨今の物価高騰、人手不足の影響を受け、工事費が高騰しています。そのため補助金活用で費用を軽減できることから、非常に魅力的です。新たな事業分野へ進出するための工場。既存事業とは異なるビジネスモデルの店舗。そうした新設や改装を行う場合に適しています。ものづくり補助金では建物工事は対象となりません。そのため設備投資が主体の場合に有力な選択肢となります。
【中小企業新事業進出促進補助金】
従業員数20人以下2,500万円(大規模賃上げ特例3,000万円)
従業員数21~50人4,000万円(大規模賃上げ特例5,000万円)
従業員数51~100人5,500万円(大規模賃上げ特例7,000万円)
従業員数101人以上7,000万円(大規模賃上げ特例9,000万円)
補助率:1/2【ものづくり補助金】
<製品・サービス高付加価値化枠>
5人以下750万円(大幅賃上げ特例850万円)
6~20人1,000万円(大幅賃上げ特例1,250万円)
21~50人1,500万円(大幅賃上げ特例2,500万円)
51人以上2,500万円(大幅賃上げ特例3,500万円)
補助率:中小企業1/2(最低賃金引上げ特例2/3)、小規模・再生2/3<グローバル枠>
3,000万円(大幅賃上げ特例3,100万円~4,000万円)
補助率:中小企業1/2(最低賃金引上げ特例2/3)、小規模2/3
中小企業新事業進出促進補助金は、補助金額の上限が高く設定されています。従業員数によりますが、ものづくり補助金と比較して2~3倍程度の規模です。そのため取り組む事業規模も判断基準のひとつとなるでしょう。また、ものづくり補助金は、補助率2/3となる場合があります。こちらは、もし条件が合えば自己負担額を減らせる利点があります。
上記の観点を補助金選択の参考としてご検討ください。また、どちらか一方ではなく、新事業は中小企業新事業進出促進補助金、既存事業はものづくり補助金、などと複数の補助金を併用することも有力な選択肢です。
今回の記事では、中小企業新事業進出促進補助金の概要とものづくり補助金と比較した申請を検討する際のポイントについてお伝え致しました。
既存事業とは異なる新たな事業へのチャレンジはリスクを伴いますが、中小企業新事業進出促進補助金の活用により費用面の負担は軽減することが可能になります。
新事業への進出のための建物の建設や設備投資を計画されている方は、中小企業新事業進出促進補助金を活用して、新事業の成功へと繋げて行って下さい。
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