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中小企業省力化投資補助金(一般型)第1回採択発表について

中小企業省力化投資補助金(一般型)第1回採択発表について

2025年6月16日に、中小企業省力化投資補助金(一般枠)の第1回公募の採択が公表されました。この記事では、第1回の採択結果の分析、及びこれから中小企業省力化投資補助金(一般型)の申請を検討されている方に向けて、その留意点についてお伝えいたします。 

         <目次>
1.補助金の制度概要

2.第1回公募の採択実績
3.業種別・地域別の採択状況
4.採択事例紹介
5.第3回公募のスケジュール
6.第3回応募に向けての留意点
7.まとめ
8.「プロコン補助金.com」の紹介

 

1.補助金の制度概要

中小企業省力化投資補助金(一般型)は、人手不足に悩む中小企業等がIoT・AI・ロボットなどデジタル技術を活用した省力化設備を導入する際、その費用の一部を支援する国の補助金制度です。
従来のカタログ掲載製品から選ぶ方式(カタログ注文型)に加えて新設された一般型では、自社の現場に合わせたオーダーメイド設備を自由に提案できる点が特徴です。
補助率は中小企業で1/2(小規模事業者等は2/3)、補助上限額は通常8,000万円(※賃上げ特例適用時は最大1億円)と、設備投資規模に対して手厚い支援となっています。※補助金額1,500万円超部分の補助率は一律1/3。
省力化投資補助金(一般型)1
(出典: 中小企業省力化投資補助金(一般型)のHPより抜粋

 

2.第1回公募の採択実績

本補助金は2025年度に創設され、第1回公募は2025年1月30日から3月31日まで実施されました。
その採択結果が2025年6月16日に中小企業庁から発表され、応募1,809件に対し1,240件が採択、採択率約68.5%という高い成果となりました。
この採択率68.5%は類似制度であるものづくり補助金(オーダーメイド型)の採択率(約30%)と比べても格段に高く、政府が本補助金を通じて中小企業の省力化投資を強力に後押ししていることを示しています。
初回ということもあり比較的広く採択された可能性がありますが、今後の応募検討者にとって十分に狙い目の補助金
であると言えるでしょう。

 

3.業種別・地域別の採択状況

第1回公募では、製造業が採択案件の約61.7%を占め、建設業が約11.3%と、この2業種で全体の約7割を占めました。製造業・建設業で採択が多かった背景には、工場の自動化や建設現場の省力化といった 労働力不足解消ニーズの強さがあると考えられます。そのほか卸売業5.9%、学術・専門サービス業2.7%、生活関連サービス業1.8%(理美容・クリーニング等)など、幅広い業種から採択者が出ています。

省力化投資補助金(一般型)2
(出典: 中小企業省力化投資補助金(一般型)のHPより抜粋

地域別には、47都道府県すべてから採択者が出ました。中でも大阪府(124件、約10%)、愛知県(108件、約8.7%)、東京都(93件、約7.5%)が採択件数の上位を占めています。製造業が盛んな地域で採択が多い傾向が見られますが、地方含め全国的に利用されている点から、本補助金の裾野の広さがうかがえます。各都道府県に満遍なくチャンスがある制度といえるでしょう。

省力化投資補助金(一般型)3
(出典: 中小企業省力化投資補助金(一般型)のHPより抜粋

 

4.採択事例紹介

第1回公募で実際に採択された事業計画の例をいくつかご紹介します。いずれも各企業が自社の課題に合わせた独自の省力化投資を行い、高い効果が見込まれる点が特徴です。

  • 製造業の事例:グリーン水素関連装置の部品製造業者では、熟練技術者に頼っていた難易度の高い溶接工程を自動化するため、3Dスキャナー搭載型の溶接ロボットを導入しました。これにより属人的だった溶接作業の標準化・省力化を実現し、生産性と品質を大幅に向上しました。人手不足の解消と工場全体の生産能力向上につながり、増加する需要にも対応できるようになります。熟練工に依存せず短期間での生産拡大が可能となった好例です。
    省力化投資補助金(一般型)4
    (出典: 中小企業省力化投資補助金(一般型)のHPより抜粋

 

  • 建設業の事例:ある鉄筋加工業者では、加工機への指示入力を紙図面を見ながら手作業で行っていたため入力ミスや手戻りが多発していました。そこで、CADソフトによるデジタル図面作成とQRコードを使った加工指示システムを導入し、併せて自動鉄筋曲げ機を活用して加工工程をフル自動化しました。結果として人為ミスが削減され、ムダなコストや工期遅延を防止。品質精度も向上し顧客満足度が高まったことで、リピート受注や新規案件の獲得に結びつく効果が期待されています。
    省力化投資補助金(一般型)5
    (出典: 中小企業省力化投資補助金(一般型)のHPより抜粋

 

  • 飲食業の事例:複数の店舗・業態を展開する外食・フードデリバリー事業者では、店舗ごとに調理オペレーションのばらつきがあり人材育成や品質維持に課題を抱えていました。そこで、自動フライヤーピザ生地生成マシンなどの厨房機器を導入し、調理工程の自動化・標準化を図りました。これにより各店舗で一定の品質を保ちながら調理の省力化が進み、少人数でも安定した提供体制を実現しています。省人化で生まれた余力をリーダー・スタッフ教育や新メニュー開発に振り向け、サービス向上と競合他社との差別化につなげています。原材料費や人件費の高騰に対処しつつ利益率を確保した好例です。
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    (出典: 中小企業省力化投資補助金(一般型)のHPより抜粋

 

  • サービス業の事例:あるクリーニング店では、人手不足から最小限のスタッフで営業していたため繁忙時の待ち時間発生や、営業時間外は受付不能といった制約がありました。採択事業では店舗に無人受付ロボットと、仕上がったクリーニング品を顧客ごとに自動受け渡しする「無人お渡しロボット(自動コンベア)」を導入し、クリーニング業務のほぼ全てを自動化しました。その結果、各店舗2名体制でも運営可能となり、24時間365日の無人受付によって営業時間外しか利用できなかった新規顧客も獲得可能となりました。浮いた人手を集配サービス拡充に振り向けることで新たな付加価値創出も図っています。従来人手に頼っていたサービス業務をロボット技術で大幅に効率化した先進的な事例です。
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    (出典: 中小企業省力化投資補助金(一般型)のHPより抜粋

 

5.第3回公募のスケジュール

中小企業省力化投資補助金(一般型)は、年3~4回程度の公募が予定されています。第2回公募は既に申請受付が終了し採択発表待ちですが、続く第3回公募のスケジュールは以下の通り発表されています。

  • 公募開始日:2025年6月中旬(予定)
  • 申請受付開始日:2025年8月上旬(予定)
  • 申請締切日:2025年8月下旬(予定)
  • 採択発表日:2025年11月下旬(予定)

※今後公式HPで詳細日程が公表・更新される予定です。

 

6.第3回応募に向けての留意点

中小企業省力化投資補助金(一般型)の採択率が高いとはいえ、確実に採択されるためには十分な準備と戦略が必要です。第3回以降の公募に申請予定の中小企業向けに、特に重要なポイントを以下に整理します。

  • 省力化効果の明確化:導入する設備によってどれだけ人手や工数が削減できるかを定量的に示しましょう。例えば「省力化投資により年間○時間の労働時間削減」「人件費○%圧縮」など、労働生産性向上の具体的な根拠を数値で示すことが重要です。単なる意気込みではなく、なぜそれが実現可能かデータや試算を用いて説得力を持たせてください。
  • 事業計画の具体性:申請する事業計画書は可能な限り具体的に作り込みます。自社の現状の課題を明確に分析し、それに対して選定した設備がどう有効に作用するかを論理立てて説明します。設備の仕様や導入スケジュール、効果測定方法(KPI)まで盛り込むと評価が高まります。審査項目に沿って網羅的に記載するため、事務局提供のガイドライン(補助対象事業としての適格性、技術面、計画面、政策面など)に従い項目漏れのないよう留意しましょう。
  • 賃上げ要件への対応:本補助金では労働生産性を年平均+4%以上向上させることが基本要件とされており、あわせて従業員の賃金引上げも求められています。具体的には「事業実施後の給与総額の年平均成長率が地域の最低賃金上昇率以上」等の条件が課されているため、申請段階で賃上げ計画を明示し、その根拠を説明できるようにしましょう。例えば「3年間で従業員平均給与を○%引き上げる。その原資を創出するだけの生産性向上効果が本投資で見込める」といった形で、賃上げと投資効果の関連を具体的な計算式とともに示すと説得力があります。
  • 専門家支援の活用:補助金申請のプロである認定経営革新等支援機関(中小企業診断士等)に相談しながら計画を練ることも大いに有効です。専門家の視点で審査基準に適合した事業計画を作成できるため、採択可能性を高める助けになります。自社内にノウハウがない場合は無理に抱え込まず、外部の補助金コンサルタントの力を借りることも検討してください。

 

7.まとめ

中小企業省力化投資補助金(一般型)の第1回公募の採択率68.5%という結果は、適切に準備すれば中小企業にとって非常に高い確率で採択を狙えるチャンスであることを示しています。
もっとも、高い採択率に油断せず、本補助金の趣旨(既存事業プロセスの省力化による生産性向上と賃上げ)を正しく踏まえたうえで、早めの準備を行うことが成功の鍵です。
例えば、GビズIDプライム(電子申請ID)の取得には2週間ほどかかりますし、社内状況の分析から設備選定・見積、事業計画書の作成まで相応の時間を要します。そのため、第3回公募に向けて今から準備を開始することを強くお勧めします。

 

お問い合わせ

 

8.「プロコン補助金.com」の紹介

「プロコン補助金.com」は、これまで事業再構築補助金を始めとした数多くの補助金の申請サポートした実績があります。
これまでに「プロコン補助金.com」が選ばれている理由を紹介します。

①中小企業省力化投資補助金(一般型)のサポート実績があります

プロコン補助金.comは、中小企業省力化投資補助金(一般型)の申請サポートの採択率は100%(4/4社)です。更に、様々な事業計画の申請サポート実績があります。
以下の表は、当社がサポートし採択された、中小企業省力化投資補助金(一般型)の補助金(概要)と業種の一例です。

補助金(概要) 業種
「測量用ドローンの導入」 補助金額 800万円 長崎県 建設コンサルタント
「Webマーケティング自動化ツール」
補助金額:1,000万円
東京都 情報サービス業
「3Dスキャナと3DCADの導入」 補助金額 375万円 等 神奈川県 製図会社 等

難易度が高い補助金の採択実績が豊富です

事業再構築補助金を始めとした様々な補助金サポートの採択実績は90%超。また、単にサポートした補助金の採択率が高いだけでなく、難易度が高い補助金や申請枠の採択実績が豊富なことも特徴です。

<採択実績のある難易度の高い補助事業名と申請枠>

ものづくり補助金(グローバル展開枠)、事業再構築補助金(サプライチェーン強靭化枠)、躍進的な事業推進のための設備投資支援事業(競争力強化枠)、設備投資緊急支援事業、明日にチャレンジ中小企業基盤強化事業]

実績豊富なトップコンサルタントが全力でサポート

プロコン補助金.comの共同代表である徳田、川崎をはじめ、当グループに所属しているコンサルタントは全員、経営コンサルタントの国家資格である中小企業診断士を保有しており、補助金コンサルの経験も豊富です。そのようなトップコンサルタントが、事業計画書の作成(代筆)、提出書類の準備、加点ポイントの取得、電子申請までをトータルサポートします。採択時は交付決定までを責任を持ってサポート致します。

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